秋田市内のスーパーマーケットで従業員がクマに襲われ、けがをしました。クマは現在も店内に居座っています。
■男性従業員 頭をかまれる
クマが侵入したのは、秋田市の市街地にあるスーパーマーケット「いとく土崎みなと店」です。
盾を持った警察官がスーパーの中へ入っていきます。
30日午前11時ごろ、クマを捕獲するための箱わなが店内へ。猟銃を持った地元猟友会の男性も駆け付けます。
スーパーの店内で何が起きていたのでしょうか。
警察によりますと、午前6時20分ごろ、開店に向けて準備をしていた40代の男性従業員が店に侵入してきたクマに襲われました。
当時、店内には被害者を含む従業員21人がいて、バックヤードから出てきた従業員がうずくまっている男性を発見。男性はクマに頭をかまれたとみられ、「痛い、痛い」と訴えていたといいます。
男性の2メートル先には体長およそ1メートルのクマが。
従業員は頭から血を流した男性をバックヤードに移動させ、その後、店の外に避難しました。
男性は全治1週間ほどの軽傷を負いました。
クマが居座るスーパーがあるのは住宅が密集する市街地で、近くには海もあります。クマが生息するような森などは、少なくともおよそ5キロは離れています。
近くの道の駅の客 「こんな所まで来るなんて考えられない。びっくりしてしまって。今後、大変だと思う。市内でもこんなことが起きる、恐怖を感じる」
■スーパーにクマ侵入 いまも店内に
今年1月には岩手県の商業施設に子グマが侵入したケースも。
山に生息するクマがなぜ、人の多い商業施設やスーパーに入り込んでくるのでしょうか。
岩手大学農学部 山内貴義准教授 「人にかなり慣れた個体が街をうろついている。夜な夜な歩き回って餌(えさ)を探して、今回のスーパーに関しては迷い込んでしまって、人、自動車、犬などに驚いてスーパーに入ってしまったのでは。クマも自分の身を守ろうとする行動を取るので、非常に攻撃的になることは分かっている」
クマはまだ箱わなにかかっていないということです。