宇宙ベンチャー企業「スペースワン」が開発した新型ロケット「カイロス」。5基の衛星を搭載し「民間初の快挙」に挑む予定でしたが、14日に予定されていた打ち上げは、急きょ15日へと延期となりました。特別な思いで打ち上げに関わる人たちからは期待の声があがっています。(12月14日OA「サタデーステーション」)
■“リベンジ”に多くの観客
カイロス2号機の打ち上げを見守る2か所の会場には約5000人が詰めかけました。5回の延期を経てカイロス1号機は今年3月に発射されたものの、わずか5秒で爆発。今回は9か月越しのリベンジです。
和歌山県・串本町の「スペースポート紀伊」ロケット発射場から打ち上げる「カイロス2号機」。衛星を軌道に乗せることができれば民間単独では国内初の快挙となります。
■高校生が製作した衛星を搭載
この打ち上げに大きな期待を寄せていたのは、東京から来た高校生です。実は今回の打ち上げに大きく関わっています。
広尾学園高校 矢尾海心さん(高3) 「今回カイロスに載る衛星の予備品です。全く同じものです」
今回、カイロス2号機には、宇宙で様々な実験をおこなう小型衛星5基を搭載。そのうちの1基を作ったのが実はこちらの高校生たち。株式会社ラグラポの支援を受けながら設計から製作まで、ほとんど自分たちでおこなったそうです。
■宇宙に“寺を建てる”構想も
期待を寄せていた人は、京都にも。世界遺産・醍醐寺にあるお寺はカイロス2号機に仏像を搭載。『宇宙に寺を建立する』という発想です。
醍醐寺塔頭菩提寺 仲田順英住職 「どこにいてもお参りができるような場所があったらいいなと。“寺の方から動いていく”ということですね」
■延期の理由は“強風”
しかし発射時刻を迎える頃、串本町の見学会場では。
会場アナウンス 「みなさんにご連絡があります。打ち上げの延期が確定になったという連絡が今入りました」
延期の知らせを聞き、固まる人や泣き崩れる子どもの姿が。
カイロスを開発したスペースワンの会見 「風速の影響が非常に強いということでロケットの打ち上げには適さないと判断致しました」
打ち上げは15日午前11時に変更となりました。
広尾学園高校 矢尾海心さん(高3) 「我々の目に見えないところで不可抗力が働いてしまったという点では非常に残念だと思うのですが、明日に向けて切り替えていきたいと思います」