コメや野菜が軒並み値上がりするなか、家計の救世主として今、注目を集めているのが「キノコ」です。生産量日本一の現場を取材しました。
■家計の救世主「キノコ」人気
温かい鍋の“主役”にもなれるキノコ。
15種類ものキノコが入った豪華なキノコ鍋が味わえるのは、東京・上野にあるキノコ料理の専門店です。
ランチのキノコ鍋はボリューム満点で980円とリーズナブルです。
今、ハクサイやキャベツを筆頭に主要な野菜は平年に比べ軒並み価格の高騰が続いています。物価高で注目されているのが安いキノコです。
アキダイ 秋葉弘道社長 「ヘルシー、おいしい、値段も安定。『家計の救世主』と言って過言じゃない」
80代の人 「ほとんどキノコを使った料理作っている」
客(40代) 「キノコ類を鍋に必ず入れている。エノキが好き。かなり安い」
「家計の救世主」のキノコ。どれだけ安いのでしょうか。
都内のスーパーでは27日、高騰しているキャベツは1個378円するなか、シイタケは1パック194円。マイタケは170円。価格の変動が少ないのが魅力です。
アキダイ 秋葉弘道社長 「非常に(価格が)安定している。他の野菜が異常気象の影響などで値段が2倍3倍になる。そういう時にキノコは大体、平年並み。種類が色々あるうえに安定して商品が入荷できる」
■「キノコ」格安販売の秘密
そこで、キノコの生産量が日本一の長野県へ向かうと、様々なキノコが格安で売られていました。
70代の人 「キノコを買いに来た。キノコの佃煮(つくだに)を作ろうと思って」 「(Q.価格はどうですか?)安いと思う」
直売所では8種類ほどのキノコを格安で販売しています。シメジは1パック100円。ナメコは120円。希少な高級食材として知られる「黒あわび茸」も150円です。
60代の人 「安くて助かる。ナメコとエリンギを買った」
エノキは300グラムぎっしりと入って130円。
実は長野県が国内生産の半分以上を占めています。
その中でも生産量トップを誇る長野県中野市でエノキの栽培工場を取材すると、安さの秘密が見えてきました。
MT産業 長島雄一代表 「エノキだけの元となる培養器が入っている」
エノキの成長に応じて温度と湿度を一定に保ちながら栽培。出荷できる状態に育まで、わずか23日ほどです。
工場内は異常気象の影響を受けないため、安定した供給が可能で価格も安く抑えられるといいます。