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安倍元総理に「嫌悪感と敵意」  山上被告語る“事件の瞬間”

社会

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 なぜ安倍元総理を狙ったのか。2日に開かれた裁判で山上徹也被告(45)が語ったのは「嫌悪感と敵意」でした。

山上被告 「(安倍氏が)本当に来たんだなということを思いました。なるべく無心で撃つようにしました」

 被告本人が事件の一部始終を語りました。

 安倍元総理を銃撃し、殺害した罪などに問われている山上被告。

 裁判では5日間の被告人質問が予定されていて、2日がその3日目です。

 今回、検察側がまず尋ねたのは…。

検察側 「ビルの外壁を損壊したことに間違いない?」 山上被告 「おおむね間違いありません」

 山上被告は安倍元総理を銃撃する前の日の未明、奈良市にある旧統一教会の関連施設が入るビルに発砲したとされています。

検察側 「この時、安倍元総理に狙いを決めていた?」 山上被告 「そうです」 検察側 「先に教会に撃ち込みをしたのは、なぜ?」 山上被告 「安倍元総理と(教団の)関係性が深いのは信者間でも知られていますが、一般社会ではそう思われていないと思ったので、あらかじめ示しておかなければ違う取り沙汰され方をするとも思ったので」

 その後、山上被告は岡山県へ移動。参院選の応援演説に訪れる安倍元総理を襲撃するためですが、この計画は失敗に終わります。

 ただ、その帰りの電車の中で、翌日に安倍元総理が奈良に来ることを知ったそうです。

山上被告 「まさか自分が銃撃に失敗した翌日に、もう一度来るとは思いもしなかったので、偶然とは思えないような気もしました」

 そして、検察側は事件当日のことについて質問。

山上被告 「(安倍氏が)本当に来たんだなということを思いました」

 山上被告は駅前で応援演説中の安倍元総理に近付き、手製の銃で撃ちました。

山上被告 「真後ろにいた警備員がちょうど移動したので、これも偶然と思えない何かと思いまして、今だと思い車道に出ました」 検察側 「被害者のどこを狙って撃ったんですか?」 山上被告 「安倍元総理の上半身だったと思います」 検察側 「被害者に当たったと思いましたか?」 山上被告 「自分の銃で撃たれた人がどういう挙動を取るのか分からなかったので、分からなかったというのが…はい」 検察側 「周囲の状況は?」 山上被告 「いつもと変わりがないようには見えました。それが意外といいますか、非常に大きな銃声がしたので奇妙に感じました」

 発砲した瞬間の心境を問われると…

山上被告 「射撃か何かの本で射撃の心得というのが、なるべく無心で撃つこととありましたので、なるべく無心で撃つようにしました」

 では、なぜ狙ったのが安倍元総理だったのか…。

 山上被告は前回の裁判で安倍元総理が旧統一教会の友好団体に送ったビデオメッセージを見て「絶望と危機感」を感じたと語っていますが、裁判官にその時の心境を改めて問われ…。

山上被告 「困惑したというか、失望したというか、何というか。今後も安倍元総理と統一教会の関係が公に認められていく、それは私には受け入れ難いこと。表面に出る強い怒りではなく、頭の片隅にあるというか、心に引っ掛かるというか、嫌悪感、敵意といいますか」

 そうした感情が徐々に強まっていったといいます。

裁判官 「安倍元総理以外の政治家は対象にはならなかったんですか」 山上被告 「安倍元総理は私の認識ですが、統一教会と政治の関わりの中心にいる方だと思っていましたので、安倍元総理以外の政治家では意味が弱いと思いました」

 被告人質問は3日も行われます。

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