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密着 シンナー確保に奔走する社長 「倒産危機」「寿司屋が魚ないのと一緒」

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アメリカメディアは、アメリカとイランの間で停戦合意間近と報じました。合意には、60日間の停戦の間に、ホルムズ海峡を開放するという内容が含まれていて、現地時間きょうにも発表される見通しだと伝えています。そんな中、日本国内ではナフサ由来の「シンナーの不足」が深刻化しています。番組では、1缶でも多くのシンナーを確保しようと奮闘する金属塗装会社の社長に密着。「倒産の危機」と語り、その苦境が見えてきました。

▼“ナフサ不足”「月60万円」 負担増

千葉県いすみ市の大原漁港にできた長い列。そのお目当ては… 1回1000円の“干物のつかみどり”です。 今年2月に始まったこのイベントにも“ナフサショックの影”が… (魚加工「ぴん太郎」 荘司将人さん)「包装されている1枚1枚、真空パックしているんですけど、これも1枚ずつ値上げになっています。ナフサだらけですよね。もうナフサがなければ、うちは商売ができなくなってしまいます」 ナフサ由来の包装資材が軒並み高騰。1枚15円ほどだった真空パックも3円ほど値上がりしたといいます。月に20万枚ほど使用するため、これだけで月60万円の負担増です。 「タイがない」 「一番上に(タイを)入れてくれた。2時間待った。あーつかれた」 Q.これ1000円だと割りに合わない? (魚加工「ぴん太郎」 荘司将人さん)「そうです。でもやっぱり地元でとれた魚を色んな人に食べてもらいたいというところがありますので。この笑顔を見ちゃうとなかなかもうやめられないですよね」

▼「溶剤も袋も…」クリーニング店悲鳴

特に重く負担がのしかかるのは中小企業です。 神奈川県相模原市を中心に23店舗あるクリーニング会社の工場。自動で仕分けされるのは、1日平均2500着の洗濯物です。 (「AKランドリー」営業本部長 三橋崇子さん)「ドライクリーニングの洗う機械になっています。水に見えるものは、ドライの「溶剤」になっています」 ドライクリーニングで使用するのは、ナフサ由来の「有機溶剤」。3月末には1リットルあたり約160円でしたが、現在は約290円まで値上がりしたといいます。 (「AKランドリー」営業本部長 三橋崇子さん)「まだ7月にも、価格が変わるっていうお知らせは来てますので、まだこの先、全然見通しがたたない状態です」 ナフサ由来の資材は他にも… こちらの機械で服を自動で包装しますが、この袋も5割ほど値上がりに。薄くするなど、使用量を減らす努力を続けています。 (「AKランドリー」営業本部長 三橋崇子さん)「裾の余白の部分なんですけれど、そこももう今限界ギリギリで、機械の設定位置で今ゼロになっています。なくなってしまうと汚れてしまったりするので。ただ今はもう、できることももう全てやり尽くしている状態で…」 これまで利用客の多い「ワイシャツ」は低価格で据え置いてきましたが… (「AKランドリー」営業本部長 三橋崇子さん)「ワイシャツは、毎日使うものですので、これを全部価格転嫁していては、消費者の方にも大変ご迷惑をおかけしてしまうので、今ちょっと悩んでいるところなんです」

▼塗装業界「寿司屋が魚ないのと一緒」

すでに経営の危機に直面している中小企業も―。 兵庫県尼崎市に本社を置く「鳥井」は、従業員約70人、7つの工場で、金属部品などの塗装を手がけています。 (金属塗装「鳥井」 鳥井洋介社長(45))「これはまさに塗装しているところです」 この塗料を薄めるために使用されているのが、ナフサ由来の“シンナー”です。さらに―。 金属部品に塗料を塗るために必要な表面の油分を取り除く工程にも“シンナー”は欠かせないと言います。 「全然違うでしょ」 Q.べたつき具合が違いますね。 「これは塗装できる。(脱脂しないと)ベロンとめくれる」 シンナーが入手困難になったのは3月下旬から。すでに2カ月もの間、苦境が続いていると言います。 (金属塗装「鳥井」 鳥井洋介社長(45))「ステーキ屋さんで、肉が入らない。寿司屋さんが魚が入らんってことですから。いずれ(会社が)潰れるっていうのが一瞬で浮かんだんですよね」 鳥井社長は、雇用を守るため、工場を止めないようシンナーの調達に奔走。少しでも節約しようと、知恵を絞ります。 (金属塗装「鳥井」 鳥井洋介社長(45))「緊急で“シンナー塗料申請”っていうグループラインを作って、僕に(申請が)来たら、(各工場に)渡すっていう約束でやっています。会社全体でやりくりしているような感じです」 シンナーなどの原材料は入手が難しいだけでなく、価格も急騰しています。 「ええええええー、すごいな、1.5倍はいっているな原材料、ほんまに」 3月は955万円だった原材料費は、わずかひと月後の4月には1566万円にまで膨らんでいました。 (金属塗装「鳥井」融資担当 谷口純也常務)「今、中東情勢関係のやつ(融資)で、何かないですかっていうのを銀行に相談しようと思ってるんですけど、やっぱりガチッと当てはまるようなものがなくて」 Q.コロナの時だと“コロナ融資”みたいな制度があったが? 「そうなんですよ。そういうのがあんまり本当になくて」

▼社長自ら奔走「キシレン欲しい!」

先が見えない中、必要なものを融通し合って、切り抜けようという動きも―。 (金属塗装「鳥井」 鳥井洋介社長(45))「(高校の)バスケットボール部の先輩なんですけど、この窮地、ナフサショックで連絡くれて…」 届けてくれたのは、シンナーの原料となる“トルエン”。これで2週間は工場を稼働できると言います。 (高校時代の先輩)「今、“キシレン”もちょっと余っていた。高いけど」 (鳥井洋介社長)「え?キシレンもあるんですか!」 (高校時代の先輩)「キシレンあるって」 (鳥井洋介社長)「キシレン欲しいっす!欲しいっす!いけるんやったら」 “キシレン”もシンナーの原料のひとつ。すぐさま確保に動きます。 (高校時代の先輩)「キシレンなんとかできるよって」 (鳥井洋介社長)「キシレンはアツイです。毎日、毎日、こう“延命”している感じです」

▼「60日停戦間にホルムズ開放」米報道

日本にも深刻な影響を及ぼしている、イラン情勢。 トランプ大統領が「まもなく発表する」とした合意について、アメリカメディアは「60日間の停戦延長」と「ホルムズ海峡の開放」などが含まれると報じています。 ただイランメディアは「合意が成立した場合でも、ホルムズ海峡はイランの管理下にとどまる」と伝えていて、先行きは不透明です。

5月24日『有働Times』より

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