山菜採りに来た70代男性がヘリで救助される瞬間です。高齢者の山岳遭難が年々、増加傾向にあるなか、遭難したらどうすればいいのか。救助隊に聞きました。
■70代が山岳遭難“救助の瞬間”
山で遭難した人からの要請を受け、「長野県警察山岳遭難救助隊」が出動します。
長野県警が5日にSNSで公開した映像です。
標高約2000メートルの笠ケ岳でヘリコプターから遭難者を発見します。ボディーカメラを付けた隊員が山の斜面に降り立ちます。
6月の時期に山で遭難したのは70代の男性です。
足元には袋が置いてあります。中に入っているのは初夏に採れる山菜「ネマガリダケ」です。男性は山菜採りをしている時に遭難しました。
70代の男性は「採ったネマガリダケを家族に配る」という理由で持ち帰ろうとします。
そして、「遭難するのは2度目」と言いながら渋々、ネマガリダケを諦めます。
実は山岳遭難者の多くが高齢者です。
最新のデータでは年間約3300人が山で遭難していて、その半数を60歳以上が占めています。死者や行方不明者は60歳以上が64%に及びます。
長野県警は高齢者の家族にも注意を呼び掛けています。
長野県警察山岳遭難救助隊 「実家の“山菜採り名人”に最後のブレーキを掛けて下さい」
具体的な注意点は「1人で入山させない」「行き先を確認する」「必要な装備を持たせる」こととしています。
9日、登山の名所として知られる東京の高尾山へ向かいました。
東京・八王子市によりますと、高尾山の登山客は年間300万人に上り、「世界一」とも言われています。都心から近く、標高599メートルと低い山のため、高齢者も多く訪れます。
ただ、夏の山では60歳以上の遭難者が増加傾向にあり、去年は410人で5年前の1.6倍になっています。
登山客(70代) 「滑落が怖い。たくさんの人が行くが狭い道もある。仲間が岩場で足を滑らせてけがをしたことがあるので、それから特に気を付けるようにしている」
登山客(60代) 「友人が一緒に行った時に滑らせて肩を打って(骨に)ひびが入っちゃった。怖いなと思った」 「私はこの間、具合が悪くなった、登っている途中で。自己管理が悪くて、行く数日前に結構、忙しくて。行く前はそれなりに体をコントロールしなければいけない。甘く見ていたので、リーダーに『もう帰ります』と連絡して帰ってきた。迷惑を掛けるから」
■山で遭難したらどうすれば?
山で遭難したら、どうすれば良いのでしょうか。
救助隊 「救助隊です。息子さんから救助要請があって来ました」 80代女性 「すみません」
遭難者は80代の女性です。
救助隊 「道に迷ってここに下ってきた?」 80代女性 「分かんなくなっちゃって、この川の方へ下がってきた。ちょっと(川で)滑って」 救助隊 「滑ったりしたんだね」 80代女性 「体が水浸しになっちゃって」 救助隊 「寒くはない?」 80代女性 「寒い」 救助隊 「息子さんとははぐれちゃった?」 80代女性 「そう」
女性は沢を下ってきた際に足を滑らせて水浸しに…。
救助隊によりますと、「人は迷うと沢を下る」傾向があり、命の危機に陥る恐れがあると警鐘を鳴らしています。
救助隊 「途中ではぐれたのに気付いて上に戻らなかった?」 80代女性 「(息子に)もう上がってくよと言って、上がっていったんだけど、どこでそうなっちゃったのか。上がっていくと言って上がっていったんだけど(方向感覚が)おかしくなっちゃって」 救助隊 「自分では上がっている感覚だった?」 80代女性 「上がっていく感覚だったんだけど」
沢を下ると不安定な斜面で滑落してけがをしたり、水に濡れて低体温症になったりするリスクが高まります。
山で遭難したら下るのではなく、「登り返す」ことが重要だとしています。