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鹿児島から香川に「ブルートレイン」を移設し遍路宿に 2021年秋にオープン予定

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 かつて関西と九州を結んでいた寝台特急「ブルートレイン」が4月、香川県観音寺市に移設されました。

 4月15日、鹿児島県の肥薩(ひさつ)おれんじ鉄道・阿久根駅前では「ブルートレイン」を香川県に移設するための作業が行われていました。

 作業を見守っているのは、善通寺市でうどん店を営む岸井正樹さん(60)です。
 このプロジェクトは、子どものころから憧れだったブルートレインを香川に持ってきたいという岸井さんの思いから始まりました。

(ブルートレイン移設を企画/岸井正樹さん)
「できたら昔からの夢で一緒におりたいなという単純な、夢の話から始めて」

 その後、ブルートレインを探す中で阿久根駅前に2両が置かれていることを知りました。
 このうち1両は寝台特急「なは」として関西と九州を結んでいて、2008年に引退しました。岸井さんはこの車両を香川で「遍路宿」として活用することを計画。2019年に1両当たり100万円で購入しました。

 岸井さんは移設や修繕の費用などを集めるためにクラウドファンディングを実施、全国の鉄道ファンを中心に1700万円が集まりました。

 多くの支援を受けて、ブルートレインは香川へとやってくることになりました。ブルートレインの移設は4日がかりで行われました。

 車両を載せたトレーラーは、鹿児島県阿久根市を出発して大分県の臼杵港へ。そこからフェリーで愛媛県に渡り、再び陸路で香川を目指しました。
 約600キロの道のりを経て、目的地の観音寺市に到着したのは18日の早朝でした。

 ブルートレインが運ばれてきたのは、観音寺市の雲辺寺ロープウェイ山麓駅駐車場です。18日は、クレーンを使ってあらかじめ設置していた線路に車両を移しました。

 2台のクレーンで車両を吊り上げて、線路に設置した台車の上に載せていきます。クラウドファンディングで支援した鉄道ファンらも駆け付けて作業を見守りました。

クラウドファンディングの支援者は―)
「吊り上げてレールの上に乗った姿を見たら、自分がこの車たちに乗っていた時の感動とか思い入れがフラッシュバックして、すごい……しびれましたね」

 作業は慎重に進められ、2両目を載せ終わったのは7時間以上が経過した午後3時過ぎでした。

(ブルートレイン移設を企画/岸井正樹さん)
「僕一人ではとてもじゃないけど、こんな夢を、しゃべるだけでもちょっとおかしいかなというくらいのことやらしてもらってるから、もうほんとにうれしいです」

 岸井さんは今後、車両の色を塗り直したり、水道や電気の整備したりと準備を進めて、2021年の秋に遍路宿としてオープンさせることを目指しています。近くには岸井さん自身のうどん店を開く予定です。宿の名前は「四国遍路の駅オハネフの宿」です。

 遍路宿の名前「オハネフ」は列車の記号からきています。列車にはそれぞれ重さや役割設備を表す記号が割り当てられていて、今回移設したブルートレインは重量が「オ」、等級が普通車の「ハ」、寝台車で、かつ車掌室があるので「ネ」「フ」となっているのでそのまま宿の名前にしました。『鉄道ファン』らしい名前の付け方ですね。

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