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【解説】3年ぶりに「行動制限のない」GW 今年の旅行の傾向、観光地の声は? 岡山

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 2022年は5月2日と6日の平日を休めば29日から10連休となります。

 十分な感染対策が必要ですが、2022年はどの地域にも緊急事態宣言などが出ておらず、3年ぶりに「行動制限のない」ゴールデンウィークです。

 JTBが全国で行った調査によりますと、国内旅行に行く人は推計で1600万人、2021年の1.7倍ほどに増えるとみられています。2022年の旅行にはどのような傾向があるのでしょうか。

行動制限のないGW 旅行の傾向は?

 JTBイオンモール岡山店でも2021年に比べて連休中の予約が増えています。

(JTBイオンモール岡山店/阿部和子さん)
「(一番人気が)東京や東京ディズニーリゾートなど。次に人気なのは関西エリアになっておりまして、都市部が人気の旅行先となっております」

 JTBによりますと、2021年の旅行では岡山県内や山陰地方など「密を避ける」傾向がありました。しかし、2022年は関東・関西や沖縄など新型コロナ禍前に人気だった定番スポットに人気が戻りました。

(JTBイオンモール岡山店/阿部和子さん)
「昨年は自家用車で移動される方が多かったので近隣のエリアが非常に多かったんですけれど(今年は)新幹線を使っての移動というのが増えてきているように思います」

 JR西日本岡山支社によりますと、管内での新幹線の指定席の予約状況は新型コロナ禍前(2018年)の約7割にとどまっているものの、2021年と比べると3倍以上と回復してきています。

 「遠方」が増えたことに伴い「2泊以上」も増えたという2022年のゴールデンウィークの旅行。新型コロナ禍前の傾向に戻りつつあるように見えますが、違いもあります。

(JTBイオンモール岡山店/阿部和子さん)
「例年だと半年ほど前から予約される方が多かったけど(今年は)間際でぎりぎりの申し込みの方が増えております。以前に比べると(目的地を)1カ所に集中されていてホテルで楽しんでいただけるところなどを選ばれている。2泊3日ですと都内(各所)というよりはテーマパークで遊んでという人の方が多い。まだ元に戻った感じでは無いんですけど、徐々に皆さん遠出をされたりとか泊数も増えたりとか、旅行を楽しんでいただけるのではないかなと感じています」

「ゴールデンウィークの過ごし方は?」みんなに聞いてみた

 Park KSBアプリでもゴールデンウィークの過ごし方について聞いてみました。

 その結果、2021年のゴールデンウィークは78.3%の人が自宅周辺で過ごしたと回答しました。それに対して2022年は71.1%と依然高いものの、わずかに減少しています。

 一方、県内外問わず旅行や帰省をする人は2021年10.2%だったのに対し2022年は15.7%とわずかに増えています。

 まだまだ外出を控える人も多い中、都市部を中心に徐々に戻りつつある連休中の旅行需要。岡山県の観光地の人々は2022年のゴールデンウィークをどう見ているのでしょうか。

苦境が続く観光業界からは連休後への不安も

(倉敷国際ホテル/山口勝正 社長)
「海外のお客様がいないことを考えると健闘しているかなと」

 倉敷市の美観地区の入口に位置する倉敷国際ホテルではゴールデンウィーク中、8割ほどの稼働率を見込んでいます。

 2021年の同じ時期の2倍近くまで回復したものの当初期待していたほどではないそうです。

(倉敷国際ホテル/山口勝正 社長)
「第6波が来る前はかなり2022年は期待していたんですけど、残念ながら年明け以降の拡大でまた先送りになったかな」

 倉敷市観光課によりますと、2019年のゴールデンウィークには29万5000人が美観地区を訪れました。それが全国47都道府県に緊急事態宣言が出ていた2020年は約4000人、東京・大阪などに宣言が出ていた2021年は約8万人でした。

 2022年は3年ぶりに外出自粛の要請はありませんが、倉敷市は観光客の数は「2021年と変わらない」と見込んでいます。

 美観地区で働く人たちは――。

(川舟の船頭/渡部晴美さん)
「団体客のお客様がまだ来られていないような感じ。連休はどういうような流れになるかちょっと分かりかねる」

(橘香堂/藤原ひとみさん)
「今の状況だとどういった状況になるのか不安。まだイベントが感染者数が増えている分できないので活気づかない部分もあるのかなとは思います」

 ゴールデンウィークの美観地区で恒例だったイベント「ハートランド倉敷」。

 白無垢姿の花嫁が小舟に乗って登場する「瀬戸の花嫁 川舟流し」などで人気のイベントですが、2020年と2021年は中止。2022年は密集を避けるため、夏に延期となりました。

 目玉イベントの延期に加えて高止まりする感染状況。苦境が続く観光業界からは連休後への不安もにじみます。

(倉敷国際ホテル/山口勝正 社長)
「正直申し上げて5日まではそこそこ埋まっているんですが、その後がなかなか予約が伸びない。こういう状況がひょっとしたらまだ続くのかなあと。(感染状況が)完全に下火になっていない感じですし、政府も『GoToトラベル』は停止したままですし、(旅行ムードの回復が)抑え気味、抑え気味に来ているという印象でちょっと残念ではありますね」

 新型コロナ禍で初めて外出自粛などの行動制限がないゴールデンウィーク。

 今回話を聞いたホテルやお店では、大きなイベントや「GoToトラベル」などの全国的なキャンペーンがないために劇的な回復は見込んでいない印象でした。

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