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【解説】国際線再開はいつ? 新型コロナ禍で苦境…「高松空港」の今

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 高松空港は新型コロナの影響で、2年以上、国際線の運休が続いています。国は、7月から高松空港の国際線の発着を認める方針ですが、早期の運航再開は厳しいとみられています。

 そんな中、高松空港は空港を訪れる人を増やそうと新たな取り組みを計画しています。

2年以上、国際線の運休が続く高松空港に「動き」

 高松空港の利用者は、2018年度は200万人を超えて過去最多となりました。しかし、2020年度と2021年度は、新型コロナの影響を受けて、2018年度の5分の1から3分の1となりました。

 国際線に関しては2020年度、21年度ともに利用者は「0」です。

(記者リポート)
「国際線のチェックインカウンターです。照明も消えていて、ひっそりとしています。ここににぎわいが戻ってくるのは、いつになるんでしょうか?」

 高松空港では、4つの航空会社がソウル・上海・香港・台湾の定期便を運航していました。しかし、新型コロナの影響が広がった2020年の2月から3月にかけて全てが運航を見合わせました。以降、2年以上運休が続いています。

 そんな中、6月、動きがありました。

(高松空港/小幡義樹 社長)
「国土交通省航空局さんから連絡はありました。以後、政府の方針として進めていきますから、高松空港としても準備をしっかりやってくださいと」

 政府は6月、入国制限を緩和した上で、従来の羽田・成田・関西・中部・福岡の5つの空港に加えて新千歳と那覇でも国際線を受け入れるとしていました。7月からはここに高松空港なども加える方針です。

 香川県にはまだ国からの正式な連絡はないということですが、県としても受け入れ再開に向けた準備を進める方針です。

(香川県 航空振興室/土居篤司 室長補佐)
「国際線のお客様が到着したときの動線であったり検疫であったり、国の機関と連携しながら必要な準備をこれをまずは進めていきたい」

 一方、受け入れ態勢を整えても「運航再開」はまだ先になるとみられています。

 29日、高松ーソウル線を運航する「エアソウル」は路線の運休を8月末まで延長することを発表しました。高松空港の国際線4路線は少なくとも7月末、長いものでは9月末までの運休が発表されています。

 高松ー台北線を運航するチャイナエアラインはKSBの取材に対して、「出国人数の制限があるため、これが緩和されない限り高松への定期路線再開は難しい」「前倒しでの再開は予定していない」と回答しました。

(高松空港/小幡義樹 社長)
「東アジアの4路線ということなんですが、例えば中国なんかはかなり厳しいコロナの制限をされている。観光客の行き来というのはなかなか簡単じゃないかな」

(香川県 航空振興室/土居篤司 室長補佐)
「就航地の新型コロナの状況を注視しながら航空会社様のほうに運航の再開を『ぜひ高松空港に国際線を飛ばしてください』というお願いをするように考えています」

 国際線を巡っては、岡山空港でも4つの定期路線全てが2年以上運休しています。岡山県によると、いずれも再開のめどは立っていないということです。

 これら国際線とは違い、国内線は利用者が戻ってきています。

 全日空・日本航空が運航する高松ー羽田線は2022年のゴールデンウィーク前までは一部運休する便がありましたが、4月28日以降はコロナ禍前と同じ、1日13往復を運航しています。

 5月の利用者は2021年の同じ月の約3倍で搭乗率も9ポイント近く上がりました。

(日本航空高松支店/小田和彦 支店長)
「(コロナ禍は)非常に苦しかったですね。努力で克服できる危機というのは当然ヘッジ(回避)もできるんですよ。コロナとか今の世界情勢、紛争とかを見ているとこれはヘッジができない危機なので」

 27日、日本航空と全日空の高松支店長が県庁を訪れ、東京への観光を促すキャンペーンをPRしました。航空会社からは国内線の利用拡大のためにも国際線の早期再開を期待する声が上がりました。

(全日空高松支店/吉岡大 支店長)
「国際線の4路線、これを早期に開始していただきたいな、そうすれば、成田、羽田の便からも盛り上がってくると思っていますので」

にぎわいを取り戻すために

 にぎわいを取り戻すために空港側もさまざまなことに取り組んできました。

 高松空港は2022年3月から2カ月間、駐車場の空きスペースを利用してアウトレットショップを開設しました。さらに――。

(高松空港/小幡義樹 社長)
「せっかくこういう空港の施設があるので、じゃあ飛行機に乗らない方々にも空港を楽しんでもらったらどうかアイデアが出ていて、8月7日に『ランウェイウォーク』というのを予定しています」

 高松空港が計画しているのは普段は入れない滑走路を歩いてもらおうというイベントです。これら新たな挑戦を続けながら今後の利用者増加を期待しています。

(高松空港/小幡義樹 社長)
「今年、瀬戸内国際芸術祭もやっていますし、空港でも展覧会的なものをこの夏から秋にいくつか準備を進めていたり、国内線も現在就航している路線以外にも2022年の夏から秋は北海道、仙台 静岡方面へのチャーター、旅行ツアーが出来ていますので、香川県の皆さんにご利用いただきたい」

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