Park KSBアプリに寄せられた疑問をもとにお伝えする「みんなのハテナ」。今回は「自動販売機」。日本は「自販機大国」と言われるほど町の至る所で自販機を見かけますよね。その理由などを調査しました。
日本に自動販売機は何台あるの?(高松市 ラブ華 51歳)
この疑問について、東北福祉大学の名誉教授・江尻行男さんに聞いてみました。
(東北福祉大学/江尻行男 名誉教授)
「統計によれば約400万台なのですが、そのうち飲料の自動販売機がだいたい220万台。全体からみると(自動販売機の数は)アメリカは日本より数は多い。人口で割れば普及率は日本が世界1位ではないかな」
日本自動販売システム機械工業会によると2023年末時点で、日本にある自動販売機・自動サービス機は約393万台。そのうち飲み物は約222万台で、全体の56%を占めています。
台数はアメリカが世界一ですが、一人当たりの台数では日本は世界一の「自販機大国」なんです。
なぜ日本は世界的にみても自動販売機が多いんでしょうか(高松市 カープ高松応援団長 62歳)
自販機が多い理由の1つは、日本のある社会的背景が関係しているそうです。
(東北福祉大学/江尻行男 名誉教授)
「治安がいいということですよね。日本は外に置いても盗難に遭うことはめったにない。都会でも夜中に一日中置いても盗まれない」
設置場所はどう決める?
では自販機をどこに設置するかは、どのように決められているのでしょうか。
(東北福祉大学/江尻行男 名誉教授)
「人の集まるところや人通りの多いところ、売れるところ。逆に過疎地に自動販売機を置いて、買い物難民にならない場面をつくっていく」
「市場に出す前の商品」を試験販売するために自販機を使うこともあるそうです。自販機にはいろんな使い方があるんですね。
香川県さぬき市の志度寺では2024年、ユニークな自動販売機が登場しました。
多い時に年間15万人が訪れる志度寺にできたのは、お守りや線香などの自販機です。
(志度寺/十河瑞澄 副住職)
「今年はうるう年なんですね。うるう年は逆に88番からお参りするとご利益が多いということで、毎年うるう年はお遍路さんが香川県にくるのがすごく増える。自動販売機設置することで人手不足の解消になるかなと思って設置した」
また、インバウンドの影響も受けているそうです。
(志度寺/十河瑞澄 副住職)
「海外の方多いじゃないですか。多言語の対応が難しいので自動販売機があれば、ほしいなと思ったものを買ってもらえれば、対応する時間が短くなれば他の方の対応もできますので、そういう意味では手助けになってるかな」
今後、自動販売機はどのように変わっていくのか江尻さんに聞いてみると……。
(東北福祉大学/江尻行男 名誉教授)
「歩く自動販売機とかどうですかとかね、いろんな社会的課題解決型の自動販売機がこれからますます必要になる。なぜかというと高齢者は増えていく、しかし働く人は少なくなる。自動販売機の特性、自動性、利便性、無人性とかいろんな特性をいかして、まだまだ開発する余地があると思う。自販機は重要になっていく」