日本を訪れた外国人の数は1月からの累計で3000万人を超え、年間の過去最多の更新がほぼ確実となりました。訪日客がどのような情報を活用して観光をしているのか、取材しました。
■訪日客数 年間過去最多ペース
ニッポンの絶品グルメに舌鼓を打つのは、世界各国からやってきた外国人観光客たち。
アメリカから来た人 「すごくおいしいです」
観光地・箱根のとんかつ店は客の3割が外国人だといいます。
看板メニューは強羅名物の「豆腐かつ煮」です。豆腐に国産豚ひき肉をはさんで揚げた後、土鍋で煮込んで卵でとじた一品は外国人客に評判です。
アメリカから来た人 「日本の食べ物、自然が好きです。皆、とても礼儀正しくて親切です」
日本を訪れる外国人観光客は今年、過去最速で3000万人を突破。コロナ禍前の2019年以来、5年ぶりです。年間の累計も最多だった19年を上回るのは確実です。
箱根のロープウェー乗り場の大行列に並ぶのは、アメリカから来たロバートさん。親友と一緒に10日間の日本旅行。東京の観光からスタートして、関西へ向かう途中に箱根へ。ロープウェーを初体験。
ロバートさん 「日本の山間部にある田舎に来たのは初めて」
半袖姿で撮影に夢中です。目の前に広がるのは、噴煙が上がる大涌谷の大自然。雄大な“空中散歩”を楽しみます。
アメリカからの観光客は去年の同時期に比べて3割以上増えています。火山の噴煙地帯を間近で見て、感激。
ロバートさん 「美しくて最高です」
大涌谷の名物「黒たまご」にも挑戦。友人が卵の殻を取るのに苦戦していると…。
ロバートさん 「携帯電話で割ろう」
地熱を利用してゆでた熱々の黒たまごを堪能します。
ロバートさん 「おいしいです」
■観光情報の入手・活用は
“観光大国ニッポン”の復活へ、今、鍵を握っているのが「SNS」を使った戦略です。
「oyadoo」インスタグラムから 「これまで日本で訪れたなかで最も美しい温泉町、石川県の山中温泉。週末、日本の旅館に泊まりに来た」
日本に住む外国人インフルエンサーが日本の宿泊施設や観光地、グルメなどを紹介する映像です。
「oyadoo」を運営 SOCIALPORT 齋藤英一代表 「日本全国に住む28カ国籍の外国人インフルエンサーが636人、現在登録していて、毎日続々と増えている状況」
全国300以上の宿泊施設と、日本に興味がある外国人観光客をつなぐプラットフォーム「oyadoo」です。
外国人インフルエンサーに無料で日本の宿に泊まってもらい、その代わりにホテルの感想や地域の観光情報をSNSを通じて世界中に発信してもらいます。
「oyadoo」を運営 SOCIALPORT 齋藤英一代表 「泊まった人がSNSで発信するのはリアルタイムかつリアリティーがある。企業が広告を出稿するより、第三者のインフルエンサーに施設を体験してもらって、その人が口コミとしてSNSで発信していくのが有効な手立て。これがコロナ禍以降に進んだ。今、キーワードにしているのが『ディープ&ローカル』。郊外、地方に需要がどんどん広がっている」