防災科学技術研究所の酒井研究員は、大きな地震が起これば、どこでも能登と同じような状況になり得ると話をしていました。
防ぐということが重要になってくるかと思いますが、私たちはこうした複合災害のリスクにどのように備えていけばいいのでしょうか。
複合災害の危険性をいち早く察知するため、国や専門家が様々な取り組みを進めています。
まず、国交省や輪島市などが進めているのが、ドローンのオートメーション化です。今回、取材した鈴屋川の支流では地震後の去年1月末から一時的にではありますが、ドローンポートが設置され、社会実装が行われました。
実際の災害現場に導入されたのは初めてで、ドローンが自動で離着陸し、往復3キロを飛行。上空から土砂ダムを定期的に監視したということです。
そして国交省はさらに、バーチャル被災現場という取り組みも進めています。ドローンで撮影をした実際の土砂崩れの映像を、写真測量技術で3次元モデル、いわゆる3D化したものです。気になる箇所を手動で選び、被害状況を確認できます。
今後、こうした技術を取り入れることで減災に役立てるとしています。
一方、専門家が提唱するのは傾斜計というものです。
この傾斜計なんですが、地震などで緩んだ地盤に傾斜計を設置して、土砂が少しでも動いたらデータが送られてきて、すぐ危険を察知できるように監視ができます。
傾斜計が観測したデータに対してどのような基準を設けて避難行動に結び付けていくかなど、本格的な運用に向けてはまだ課題もあるといいます。
(Q.様々な技術で災害のリスクを察知する取り組みが進んでいるようですが、こうした情報というのは住民にはどのように届くのでしょうか?)
災害現場によってリスクが異なるので、各地域ごとに情報を伝えていくのは限界があり、課題があるとしたうえで、まずは自分の住む地域がリスクがどうあるんだということを認識して、次の地震、雨、融雪など災害が起きた場合に備えてもらいたいということです。