香川県丸亀市役所の元職員の女性が長時間労働などが原因で病気を発症したとして「公務災害」に認定するよう求めた裁判で、高松地方裁判所は29日、原告側の訴えを退ける判決を言い渡しました。
訴状などによりますと、丸亀市役所で働いていた現在50代の女性は2018年にくも膜下出血を発症したのは長時間労働が原因だとして、地方公務員災害補償基金香川県支部に「公務災害請求」しましたが認められず、取り消しを求めていました。
女性は1カ月70時間ほどの時間外労働をしていたほか、自宅でも1日2時間以上仕事をしていたと主張しました。
判決で高松地裁の田中一隆裁判長は原告の請求を棄却。「具体的な自宅での作業時間を裏付ける証拠は認められない」などとして、病気と長時間労働に「因果関係があるとはいえない」と結論付けました。
(原告の女性の夫)
「妻が倒れる前の3年間は仕事続きの毎日で、現在は全く何もできない生きているだけの状態になってしまいました。私からしたら(判決は)納得はいきません」
弁護団が開いた会見で、丸亀市職員労働組合の執行委員長は「100時間を超える時間外労働の申告は丸亀市のどの部署でもある」と説明しました。
原告は控訴する方針です。被告の地方公務員災害補償基金は「コメントは差し控える」としています。