ベスト8が出そろった岡山大会。その一角、岡山東商は「けがのキャプテンを甲子園へ」という思いで一丸となって戦っています。
春のセンバツ優勝の経験もある古豪・岡山東商業。伝統の白桃色に身を包んだチームは、スタメン・ベンチ・スタンドが一体となってベスト8まで勝ち上がりました。
そんなチームを支えるのは東商のキャプテン・今井仁哉。この夏、キャプテン・4番として、「グラウンド」でチームを引っ張るはずでしたが……。
(岡山東商/今井仁哉 主将[3年])
「練習中にひざが内に入って、そのあとこけて……」
2024年3月、練習中にランナーと接触して病院へ。診断は、右ひざの前十字靭帯断裂および半月板損傷、全治6カ月の大けがでした。
(岡山東商/今井仁哉 主将[3年])
「医者から聞いてみたら夏も難しいって聞いたので、まず頭真っ白になって、家帰ってじっくり考えたときに涙してしまった」
小2から始めた野球の集大成となるはずが、突然告げられた早すぎる夏の終わり……。折れそうな気持ちを支えてくれたのは仲間たちでした。
(岡山東商 今井に代わり4番に/豊島瑛太 選手[3年])
「言葉で表すのが多分苦手な人だと思うんですけど、自分たちが甲子園に出たり、国体に出場できたら今井もプレーできると思うので」
(岡山東商 今井と同じ中学校/賀嶋宏介 選手[3年])
「昔からやってきている分、お世話になったというか、助けられた部分がたくさんあるので、今井を甲子園に連れていきたい」
けがをしても変わらず背中でチームを引っ張る今井。その変わらない姿にチームみんなで固めた1つの思い。
(岡山東商/今井仁哉 主将[3年])
「甲子園に行ったらバットは全力で振れるよって言われたので、それを皆に伝えたら、じゃあ甲子園行こうとか、国体行って一緒に野球しようって言ってくれたのでうれしかったです」
「今井を甲子園へ」。東商の夏初戦の相手は2023年夏の王者・おかやま山陽。
グラウンドで懸命なプレーを見せる東商ナイン。今井もベンチで一緒になって戦います。
2点リードで迎えた9回には、今井の思いを受け継ぎ4番ファーストに入る豊島が、カメラ席に飛び込みながらもファウルフライをキャッチ!気持ちの入ったプレーをみせます。
そして、2023年の王者相手に勝利をつかんだ東商。【岡山東商 4‐2 おかやま山陽】
1991年から遠ざかる夏の甲子園へ。思いを1つにした東商の夏はまだまだ終わりません!
(岡山東商/今井仁哉 主将[3年])
「プレーしている選手だけでなく、スタンドで応援してくれている選手も必死なプレーをしてくれていたので、勝ち切ってくれたことがすごい甲子園に連れて行ってくれるって感じた。1戦必勝、次の試合に向けて全力で挑みたいと思う」