香川県三豊市の離島・粟島で、3カ月にわたって滞在制作をした作家の作品展が行われています。
三豊市の須田港から船で15分、人口約120人の粟島。その粟島の旧中学校を活用したアート施設「粟島芸術家村」です。
ここでは16年前から国内外のアーティストが滞在制作し、展示会を開く取り組みをしています。
今回の展示作品を制作したのは、小豆島育ちの柴田早穂さんと、香川大学を卒業した谷口大智さんです。2人はともに東京藝術大学大学院の卒業生でもあります。
香川にゆかりのある2人が粟島にやってきたのは、7月のこと。
粟島芸術家村の総合ディレクターで、東京藝術大学学長の日比野克彦さんや島の人など約45人が歓迎しました。
(島の人は―)
「盛り上がっていっぱい人が来てくれて粟島がウキウキするようになる」
「交流でみんな楽しくやるのが島の第一の楽しみです。これはずっと続けていかないかん」
それから3カ月。島の人との交流から得た気づきをもとに作品を制作しました。
普段は小豆島に工房を構える鋳金作家の柴田さんは、制作の工程を見られる鋳造所そのものを作品にしました。島の人たちが持ち寄ったアルミ缶や銅なども材料です。
さらに、島の海岸に漂着したイカの甲を金属を流し込む型として活用し、島内外の人が好きなモチーフをつくるワークショップも行いました。
(粟島で滞在制作/柴田早穂さん)
「粟島の皆さんに、見たことのないものを見てほしいという思いがあって。興味なかったものに興味が出たりとか、小さなきっかけになったらいいなと思っています」
鹿児島県出身の谷口大智さんは、かつて粟島で盛んだった瓦の生産にヒントを得て、島の北側の「阿島山」で粘土を採取。
粟島に伝わる「龍神様」のしっぽやうろこを粘土で制作し、島の人たちが、うろこ一つひとつに絵を描きました。
作品の一部は今後測定装置として海に沈め、付着する生物などを長期的に観察することを目指しています。
(粟島で滞在制作/谷口大智さん)
「島民の方たちが最初からアットホームだったので、レジデンスや制作のこともわかってくれていて、困ったことも相談に乗ってくれてありがたかったです」
2人の作品展は10月12日まで。粟島ならではの芸術の秋を楽しんでみませんか。