十五夜(中秋の名月)と並ぶ「名月」とされる十三夜(じゅうさんや)。2026年は10月23日です。
毎年、十五夜の約1カ月後に訪れる、昔から日本人に愛される「十三夜」をたのしむポイントを、ライフパーク倉敷(倉敷市)の三島和久学芸員に聞きました。
三島さんによりますと、中秋の名月(十五夜)が中国から伝わったのに対し、「十三夜」は日本古来の月を愛でる風習だとされています。平安時代には貴族らが宴を開き、十三夜の月を愛でたとも言われています。
十三夜が、庶民に広まったのは江戸時代。収穫の感謝と結びついた風習とされています。「十五夜」は芋名月(いもめいげつ)と呼ばれ「里芋」を供えたのに対し、ひと月後の「十三夜」は、栗名月(くりめいげつ)、豆名月(まめめいげつ)などと呼ばれ、栗や枝豆を供えるのが定番のようです。
ちなみに、十五夜と十三夜は「両方愛でる」が良いとされ、どちらか片方しか見ないのは「片見月(かたみづき)」と呼ばれ、あまり縁起が良くないとも考えられていました。
実は「片見月」を巡っては諸説あり、江戸時代の遊郭が仕掛けたキャンペーンがルーツだという説もあるそうです。〝十五夜と十三夜にセットで遊びにきてね”というセールストークだったとも…。
また、十五夜のころがちょうど秋雨シーズンのため、十三夜の秋晴れのころに〝敗者復活戦”の月見をしたのではとの説もあるようです。
十三夜の月は少し欠けた月。不完全なものに美しさを感じるところが日本人らしい美意識が反映されているとも言われ、和歌の題材としても好まれました。以下、松尾芭蕉の2句です。
・よめはつらき 茄子(なすび)かるるや 豆名月
(嫁はつらい…秋が旬のナスも枯れ もう豆名月の季節がやってきた)
・夜る(よる) 密(ひそか)に 虫は月下の 栗を穿つ(うがつ)
(十三夜の月光の下 栗虫はひっそり 栗に穴を空ける)
2026年10月23日、岡山の日の入りは午後5時20分ごろです。
天気は微妙ですが、、雲の間からおぼろげな光を眺めるのも、日本らしい楽しみ方かもしれません。