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ブルーシートの屋根に復興阻む雨「亀裂から水」能登半島地震の被災地で意外な浸水被害

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きょうは東北地方も梅雨入りするなど広範囲で大雨となりました。各地で倒木や土砂崩れなどが起きています。

■日本海側で荒天 “国宝の城”で倒木も

「急に雨脚が強くなってきました。視界がはっきり見えません」 23日、東北地方も梅雨入りし、本格的に雨のシーズンを迎えた日本列島。九州から東北にかけ、広い範囲で雨となりました。 (山本将司ディレクター)「午前11時過ぎです。早朝から断続的に降り続けていた雨ですが、先ほどからかなり強くなってきました。車で移動中ですが前が見えないほどです」 福岡では、朝から断続的に雨が降り、1時間で12.5mmの本降りの雨を観測。大雨注意報が出されました。久留米市でも激しい雨が… (津金澤那智 記者)「正午前の西鉄久留米駅です。雨脚が強まり、至る所に水たまりができています」 ここ3日間で100mmを超える雨が降っている大分では、この日の雨が影響しているかは不明ですが土砂崩れが発生。県道が寸断されました。 雨の中、博多祇園山笠の準備に追われる人々も… 「はい、行くよ」 「棒締めた、棒締めた」 祭りに使う山車の“棒締め”と呼ばれる作業。雨が降ると縄が締まらないため、作業は急ピッチで行われました。 (博多祇園山笠 千代流 坂本一規さん)「なんとかちゃんと締まって良い棒締めができたかなと思います」 Q.雨降ると嫌にならない? 「ないです。どうせ勢い水をかぶるので」 日本海側でも激しい雨に見舞われました。鳥取市では1時間雨量が24.0mmと今年一番の強い雨となりました。一方で、鳥取砂丘では前方が霞むほどの霧が出ました。島根県では、国宝・松江城の周辺で松の木が倒れるなどの被害が…。 (名古屋から来た観光客)「松江で以前こんなに大きな災害はなかったと思う。名古屋から来たがこれほどひどい雨は初めてです」

■ブルーシートの屋根に…復興阻む雨

雨は、石川県の被災地でも… (佐々木一真アナウンサー)「朝6時の石川県七尾市です。きのう夜遅くから降り続いている雨が強くなってきました。地震発生から間もなく半年を迎えますが、街のいたる所にブルーシートが掛けられていて雨が打ち付けられています」 輪島市では、24時間で39.0mmの雨を観測。少しの雨でも復旧作業の妨げとなります。 (佐々木一真アナウンサー)「輪島市では多くの住宅の屋根にブルーシートが掛けられています。住民の方によりますと、本格的な雨の時期を前に修繕しようにも、なかなか追いついていないのが現状だといいます」 今年1月、地震発生後訪れた鍼灸院…。周囲の家が崩壊や傾くなど、大きな被害にある中で、辛うじて崩壊を免れた建物でした。しかし、雨による意外な被害にあっていました。 (尾坂鍼灸院 尾坂昌彦さん(73))「地下のコンクリが割れたんだと思いますけど(水が)溜まってくるんですね。少しずつ染み出てくる様に溜まってくるんです。ポンプを借りて3~4回は出しているんですけど、どう処置しようか思案しているが、業者そのものがなかなか動けない。8月くらいまではこの状態で乗り切らないと仕方ない」 物置として使用していた8畳ほどの地下倉庫に溜まった水…今後どのように修繕していくか、めどは立っていないといいます。 Q.梅雨に入ったが? (尾坂鍼灸院 尾坂昌彦さん)「そういう意味ではちょっと怖いところはありますけどね。何が来るかもしれないという不安感みたいなものは常にありますよね」 あす24日、月曜日も西日本や東海では警報級の大雨となる恐れがあり、土砂災害などに警戒が必要です。

■遅い梅雨入り “コシヒカリ直撃”稲枯れも

22日、例年より10日以上遅い梅雨入りをした新潟県では、私たちの食生活に関わる“異変“が起きていました。 (佐々木一真アナウンサー)「日本有数の米どころ新潟です。このように辺り一面、田んぼが広がっています。近年の気候の変化の影響で、今生産するお米の種類を変える動きが出てきているといいます」 お米の生産量日本一を誇る新潟県。中でも「コシヒカリ」は、言わずと知れた、お米のトップブランドです。 柏崎市で20年以上、コメ農家を営む水野さん。およそ15ヘクタールで、コシヒカリなどを生産しています。しかし今年は… (コメ農家 水野美保さん(56))「こちらもこちらも“新之助”っていう品種になります」 『新之助』という新しい品種を増やしました。原因は去年の水不足にありました。田んぼに入ったヒビなどの影響でコシヒカリの品質が低下。水野さんの売り上げも3割減になったと言います。 (コメ農家 水野美保さん)「ずっとドライヤーの高温を(穂に)かけているみたいな、こういう(熱い)風が吹いた時期がちょうどコシヒカリの穂が出る時期とぴったり一致して、その時点でもう収穫はしなくてももうダメだなって」 さらに追い打ちをかける今年の水不足。県内の一部の稲が枯れる被害が発生したのです。「新之助」はコシヒカリよりも暑さに強い品種。豊潤な甘みとコクが特徴です。 (コメ農家 水野美保さん)「夏は高温ですよ、暑い時期が続きますよって出ている中では、コシヒカリよりは(新之助に)期待しています」 一方、コシヒカリにはこんな思いも… (コメ農家 水野美保さん)「地元なんでやっぱりコシヒカリが1番と思いたいところがあるので、もうしばらくジタバタしてみようかなと。コシヒカリでなんとかならないかと思っています」

■新潟の宝「大きく育たない」遅い梅雨に不安

遅い梅雨入りは、もうひとつの“新潟の宝”にも影を落としていました。 Q.これ何cmくらいあるんですか? 「50cmぐらいですね」 海外での人気も高まり、数千万円という高値で取り引きされることもある“泳ぐ宝石”『ニシキゴイ』。1万匹のニシキゴイがいるという、こちらの養殖場では… (松田養鯉場 朝比奈諒さん)「本来なら、このへりまで水が入ってないといけないんですけど、だいぶ水が足りてないという状況になりますね」 普段は沢から水を引くものの、沢の水もご覧の通り…池は20cmほど水位が下がっていました。品評会で度々入賞してきたこちらの養殖場。水位の低下は、コイの品質に大きな打撃を与えるといいます。 (松田養鯉場 朝比奈諒さん)「コイの大きさって飼育している(池の)面積で決まりますので、水の量(池)が狭くなっちゃうと、そもそもコイが大きく育たないんですよね。水の中の酸素が失われてしまって死んじゃったりというような影響がありますね」 この養殖場では去年、水不足と猛暑の影響で20匹のニシキゴイが死に、損害は400万円にも及びました。そのため、梅雨に入っても安心はできないと言います。 (松田養鯉場 朝比奈諒さん)「(池に)入る水の量は決まっていますので、その後の夏が、全く雨が降らないで猛暑日が続いてしまうと、梅雨でどれだけ雨が降っても水は減っちゃう。やっぱり夏の猛暑っていうのは一番不安なところではありますね」

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