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「復興が見えてきてたのに…」能登で再び災害に 記録的な大雨で死者も

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元日の大地震で大きな被害を受けた能登半島で、今度は記録的な大雨です。大雨特別警報が出る中、死者や複数の行方不明者が出ています(9月21日OA「サタデーステーション」)

■河川氾濫相次ぐ 地震の被害も要因か

石川県能登では21日の午前9時すぎに線状降水帯が発生。記録的短時間大雨情報が5回も発表され、午前11時ごろには、大雨特別警報が出ました。輪島市では、午前9時22分までの1時間で観測史上最も多い、121ミリの猛烈な雨を観測。道路の冠水や川が氾濫する被害が相次ぎました。猛烈に降った大雨の影響で輪島市や珠洲市など16の河川が氾濫。

河川が増水する様子を見た住民 「普段は橋の下6メートルぐらいのところが水面なんですよね。夜明けは少し(雨が)降っていたが、こういう状態になっていなかった。本格的に降り出したのは、(午前)9時過ぎてからだと思います」

珠洲市でも、観測史上最も多い雨が降りました。復興のため、大阪からボランティアに来ていた郷田さんは珠洲市にあるボランティアセンターにいたところ、目の前を流れる若山川が氾濫。普段ならボランティアセンターまでバスが運行していますが、道路が冠水したため、施設にいた40人ほどが取り残されていました。

大阪からのボランティア郷田秀章さん 「堤防を越えてきたら1階は水に浸かるなという状態だったので、みんなで2階に避難した状態です。命の危険はあるなということはみんな感じていた。せっかく復興がちょっとずついい感じで見えてきていたのに何歩か下がってしまった。あとはもう、みんなで頑張っていくしかない」

なぜここまで河川の氾濫が相次いだのでしょうか。

気象庁の会見(21日正午過ぎ) 「1月の能登半島地震により、地震の揺れで堤防や護岸が損傷している箇所が多数ございました。そうした箇所が完全には復旧できていない箇所がございます。低い水位でも氾濫の危険性が高まることがございます」

■避難阻むガレキ 復旧工事中のトンネルで不明者も

地震で残ったガレキも事態をより困難にさせています。珠洲市で民宿を営む女性は、冠水した道路にガレキなどが流れ込み、避難できなくなってしまったそうです。

珠洲市で民宿を営む女性 「倒壊した家屋がまだ周りにたくさんありまして、濁流とともに物が流れて来る。タイヤも流れてくる。ガレキのようなものも流れてくる。生活品の缶とかペットボトルもどんどん流れ込んできて、足元が全然見えないんですね。その中を歩いて避難するというのは、恐怖というか、危ないっていうのが一番あって、2階の方に垂直避難しました。生まれて初めてこのような豪雨というか、もう外が真っ白になるくらいの雨っていうのは、もう恐怖を感じましたね」

そして、21日午後5時、災害対策本部会議の冒頭で伝えられたのは、復旧工事中のトンネルでの事故の一報。

会議の参加者 「工事関係者らしいですけど、トンネルの中にいた人ではなく、外にいた工事関係者ということです」

輪島市の国道249号の中屋トンネルで土砂崩れがあり、作業員3人の安否が不明となっています。1月の能登半島地震から通行止めとなっていて、国交省などが復旧作業を進めていました。9月25日から片側通行のみ、地元住民限定で、開通予定でした。

輪島市坂口茂市長 「輪島市は、とてもひどい状況でありまして、孤立に関して言えば、いま現在、門前町以外はすべて孤立です」

21日午後9時時点で、今回の大雨による死者は1人。輪島市や珠洲市など、合わせて6人が行方不明になっているということです。このあとも能登半島周辺では断続的に激しい雨となり、22日夕方までに石川県では180ミリ、新潟県でも100ミリの大雨が予想されています。

気象庁の会見(21日正午過ぎ) 「一般的には台風が低気圧になると大したなくなると思われるかもしれないですが、そうではありません。東北・北陸で、すでに土砂災害警戒情報や大雨警報が発表されている地域を中心に広く警報級の大雨になる恐れがある」

台風14号は、午後3時に温帯低気圧にかわりましたが、22日は、低気圧と一体化した前線が南下するため、九州から東北の広い範囲にかけて警戒が必要です。

■関東も大雨恐れ 異例の残暑にも出口が

22日、大雨となる恐れのある関東。

報告・兵藤雅恵ディレクター(栃木・日光市戦場ケ原) 「雨が降ってきました。傘を持った観光客の方がいらっしゃいます」

秋の人気観光地として知られる日光市の戦場ケ原では、3連休初日ですが雨の影響もあり人はまばらです。

一方で西日本から関東の多くの場所では、異例の残暑で危険な暑さになりました。全国では370地点で真夏日を観測。さらに7地点で9月下旬としては初めての猛暑日となりました。

報告・仁科健吾アナウンサー(東京・立川市国営昭和記念公園) 「手元の温度計は34℃を超していますが、秋の花コスモスが一面に咲き誇っています」

昭和記念公園ではおよそ400万本のキバナコスモスが見頃を迎えています。

東京都内では33.6℃を観測。真夏並みの暑さとなりました。

秋雨前線は22日、広い範囲で雨を降らせた後さらに南下。秋の涼しい空気が入り込み、徐々に気温は下がる見込みです。

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