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「手取り増やす」政策の実現は?自民と国民「部分連合」の“落とし所”は

政治

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 過半数割れで「野党の協力がほしい」自民党と、「手取りを増やす政策」を実現したい国民民主党。これらの政策、自民党はどこまでのめるのか。「落としどころ」を後藤謙次さんに聞きました。

■立憲・野田代表「総理指名」を“直談判”

立憲民主党 野田代表 「今回の民意は自公政権に対してノーという国民の意思表示でございましたので、政権をかえていく大きなチャンスでもありますので、総理大臣指名選挙では、私『野田』とぜひお願いをしますと」

 来月11日に召集されるとみられる特別国会で行われる総理大臣指名選挙では「野田佳彦」と書いてほしい…。野田代表、日本維新の会の馬場代表と共産党の田村委員長と相次いで党首会談を行い、直談判しました。

 この要請に対し、維新の会と共産党は…。

日本維新の会 馬場代表 「野田さんの名前を書くにしても大きな大義、また具体的な改革案、そういうものがなければ我々はくみすることはないと」

共産党 田村委員長 「対応については前向きに検討をしたいと」

 総理大臣指名選挙では、過半数を得た人が総理大臣に指名されます。過半数に達しない場合は決選投票が行われ、最多得票の人が総理大臣となります。

 政権交代で野田政権誕生を目指す立憲民主党は、国民民主党にも党首会談を呼び掛けましたが、断られたということです。

 国民民主党は、総理大臣指名選挙では1回目も決選投票も「玉木雄一郎」と書く方針です。

■「手取りを増やす」政策の実現は

 衆議院選挙で自民、公明両党の議席が過半数を割れるなか、政権存続を目指している石破総理。

 ジャーナリストの後藤謙次さんは、石破政権にとって命運を握るのが国民民主党だとみています。

ジャーナリスト 白鴎大学名誉教授 後藤謙次氏 「政策ごとに合意を得るということで自公側のテーブルに国民民主についてもらうと。それが一番現実的で今、最も近道ということで、これに一点突破に懸けていると思います。国民民主という大海に流れてきた救命ブイなんですよ。この救命ブイを取り逃がしたら多分、自民党は一発で海の中に消えていってしまうということだと思います。経済関係、予算に絡む経済問題について受け入れるところは受け入れると」

 国民民主党の掲げる手取りを増やす経済政策は、いずれも国民の生活に直結するものばかり…。これらの政策を実現すると税収が減るため、代わりとなる財源をどうするのかが課題となりますが、後藤さんは収入が年103万円を超えると所得税が課税される、いわゆる「103万円の壁」対策と、ガソリン代を下げることは自民党はのまざるを得ないのではないかとみています。

後藤謙次氏 「つまりこれをのまなかったら政権が消えてしまう。非常に自民党にとってはつらい交渉だが、のまざるを得ない。だから財務省の尻をたたいて何とか知恵を出せと。103万円の額をどこまで取っ払うのか、そういう協議に入っていくんだと思います」

 ガソリン代の値下げ、103万円の壁対策については2025年度の税制から導入するかどうか検討されるのではないかとみています。

後藤謙次氏 「あとは政治改革でしょう。政治とカネについてけじめをつけると。例えば政策活動費とか旧文通費だとか、こういう問題について決着をつけると。経済問題と政治改革に特化したこの2つで合意を目指すと。見返り求めるのは『総理指名選挙で石破さんが再選できる環境をつくってもらいたい』です。『石破茂』と書いてもらわなくてもいいわけです。国民民主が野田さんと書かなければ相対的に石破さんの数字が自公で上回るので、結果として石破さんの再選が実現できると」

 総理指名選挙で「玉木雄一郎」と書くことについて玉木代表は…。

国民民主党 玉木代表 「(Q.自民党に利することになるとの指摘もあるが?)きのう維新の馬場代表に確認したら維新も入れないということなので、我々がどうしようと関係なく野田代表が選ばれることはもうないので。勝つ見込みのない野田代表に入れるわけにもいきませんから」

後藤謙次氏 「玉木代表にしてみれば第一優先順位は選挙戦で訴えた政策を実現すること。その点では玉木代表には大義名分があるわけですよ。(国民民主党は)つかず離れず、あるいは自民党を生かさず殺さずと。自分たちの果実を取っていくという戦略をとっていると思います。自民党にとっての(国民民主党は)救命ブイですから、これにつかまらなければ自民党は明日をも知れぬということになれば、相当高く売りつけられますよね」

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