アメリカ・ロサンゼルスの山火事は発生から4日経った今も消火活動が続いています。バイデン大統領が「安否不明者が多数いる」と述べるなど、被害の全容はまだ分かっていません。
■LA山火事 消火活動続く
建物を飲み込みそうな勢いで燃え盛る炎。日本時間の11日に撮影された山火事の様子を捉えた映像です。空中から行われる消火活動では火の勢いが衰えているようには見えません。
白い明かりがともる街に、ライン状に延びる炎が迫っています。
記者 「周辺住民は空を見上げ、不吉な煙を目にしています。炎は燃え上がって夜空を照らす不吉な光景です。見て下さい、避難しています」
4日目を迎えたカリフォルニア史上最悪の火事は、消し止められる気配を見せません。
現地時間7日、アメリカ西部ロサンゼルス近郊で発生した山火事。ハリケーン級の強風と極度の乾燥で一気に拡大。12分後には20倍に燃え広がったということです。
現在、6カ所で山火事は確認されていて、ロサンゼルス中心街を東西両側から襲う状況となっています。
最初に起きた山火事はパシフィック・パリセーズでした。
そのパシフィック・パリセーズ。黒く焦げた木々と白い灰で焼け野原状態。燃え尽くされた車は骨組みが残るのみです。
■空き巣続出で夜間外出禁止令
現地では火災に乗じた空き巣事件で逮捕者が続出。当局は、高級住宅地パシフィック・パリセーズなどに夜間外出禁止令を出しています。
まだくすぶっているこの場所は…地元の高校です。こちらも火災の被害に遭ってしまいました。今回、大規模な災害ということで、多くの子どもたちにも影響が出ています。
自宅が全焼した住民 「戦争で攻撃を受けたような状態です。映画のセットのように感じます」 「山火事は身近な存在ではありましたが、通常は山麓までで、住宅地まで焼き尽くすとは夢にも思いませんでした」
上空から住宅街を捉えた衛星写真です。黒い直線が道路とみられ、オレンジ色の炎が街全体に広がっています。緑の草木や色とりどりの屋根が並んでいた街は焼失し、白っぽく変わっています。
当局によりますと、これまでの焼失面積はおよそ150平方キロメートル。この広さを東京23区で表すと、千代田区を中心に9つの区を合わせた面積に相当します。
火災による死者は少なくとも11人。建物の被害は1万棟に上り、被害総額は20兆円を超える見込みです。
鎮火のめどが立っていない山火事。被害はさらに拡大する見通しです。