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アメリカ旅客機衝突 ヘリ側が別の機体と見間違いか 2分前に“目視報告”の新音声

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アメリカでの旅客機と軍用ヘリの衝突事故。新たに入手した衝突2分前の管制塔とヘリとのやり取り。ヘリ側は「旅客機を目視している」と伝えていましたが、これは衝突した旅客機ではなく、別の機体を見間違っていた可能性が浮上しました。

■2分前に“目視” 新音声を入手

CNNが新たに入手した映像。明るく光っているのがアメリカン航空の旅客機。横方向に動いているのが軍用ヘリです。衝突後、川に落ちる様子が映っています。衝突が起きたのはレーガン・ナショナル空港から700mあまり、近くにはホワイトハウスやペンタゴンもある首都ワシントンの中枢です。飛行記録などによると、北から川沿いに南下していた軍用ヘリ。この時、旅客機も南から空港に向かっていました。ワシントン・ポストによれば、軍用ヘリは衝突の約2分前に管制塔から旅客機の存在を警告されています。 (管制塔)「ウィルソン橋の南が渋滞しています。CRJ(旅客機)は滑走路に向かっています」 (軍用ヘリ)「目視できています。目視で距離を確保します」 (管制塔)「承認します」 衝突2分前に旅客機を「目視できている」と答えていた軍用ヘリ。そして、衝突の20秒ほど前にも… (管制塔)「CRJ(旅客機)が見えますか?後ろを通過してください」 (軍用ヘリ)「見えています。目視で距離を確保します」 (管制塔)「わかりました」 しかし…なぜ軍用ヘリは、見えていたはずの旅客機と衝突したのでしょうか?

訓練飛行中だったという軍用ヘリは、アメリカ陸軍の「ブラックホーク」。5年間、ブラックホークを操縦していたマコーミックさんに聞きました。 (ブラックホークの元パイロット エリザベス・マコーミックさん)「ヘリコプターの視界には2機の飛行機がありました。通信記録では管制側が『旅客機を目視しているか』と確認していて、飛行機が2機あることについては伝えていませんでした。(衝突する)飛行機が見えていなかったのだと思います。飛行機はより高い高度にいたはずで、ヘリコプターは上にプロペラがあるので、上方向は見づらい状態にあるのです。」 ワシントン・ポストによれば、軍用ヘリと衝突した旅客機の後ろからは別の旅客機が接近していました。 航空専門家は、2分間という十分な時間があったのに衝突したのは「軍用ヘリが警告された対象を別の飛行機だと思い込んだ可能性」があると伝えています。 Q.ヘリにレーダーなどはなかったのか?  (エリザベス・マコーミックさん)「(事故で起きた空域では)建物やレーダーが感知してしまう物が多すぎて、誤った表示でパイロットを紛らわせる可能性があります。レーダーは低いところでスタンバイモードになり一時的に停止します」 もうひとつ衝突の原因とみられるのが軍用ヘリの高度です。事故を調査する運輸安全委員会はフライトレーダーなどのデータから衝突時の飛行機の高度は約99m(325フィート)だったと発表しました。ニューヨーク・タイムズによればこの空域は約60m以下の高度で飛ぶよう制限されていましたが、軍用ヘリは約90m以上の高度で飛行していたといいます。

■トランプ氏“多様性重視”の管制批判

(トランプ大統領)「今回のケースでは軍用ヘリ側の高度が高すぎた」 さらに、本来は2人で行うはずの管制を、衝突が起きた夜は1人の管制官が行っていて、旅客機とヘリコプターを掛け持ちする異例の状態だったと伝えています。 “管制官の人員不足”が起きているのは事実ですが、トランプ大統領が問題視したのは“管制官の質”でした。 (トランプ大統領)「FAA(連邦航空局)は重度の知的障害や精神疾患で苦しむ人々を積極的に採用し、同局のウェブサイトには『多様性と包摂性に基づく雇用』と明記している。考えられるか?」 衝突事故は、多様性を重視した「バイデン政権の責任だ」と批判を繰り返したトランプ大統領。 Q.“多様性がこの事故に関係している”どうしたらそんな結論になるのですか? (トランプ大統領)「常識があるからだ。残念だが多くの人はそれが欠けている」

衝突したブラックホークを操縦していたと嘘の情報をSNSで流されたトランスジェンダーの現役パイロットは… (トランスジェンダーの現役パイロット ジョー・エリスさん)「トランプ大統領の発言以降、トランスジェンダーのコミュニティーが批判の的になっていると聞いています。私は従軍するためのすべての基準を満たしています」 トランプ政権は連邦政府職員に対し、早期退職を呼びかけていますが、その対象には管制官も含まれていて、今後、人員不足がさらに深刻化する可能性があります。

2月2日『有働Times』より

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