岡山の銘菓として長年親しまれてきた「きび田楽」。メーカーが廃業を決めたため、直営店では31日が最後の販売となりました。
午前10時半ごろ、岡山市にある「金萬堂本舗」の直営店には販売前に長蛇の列ができていました。
(金萬堂本舗/工藤浩之 統括本部長)
「きょうは皆さん朝早くから並んでいただきましてありがとうございます。金萬堂、本日が最終日になります。最後の記念というわけではないんですけど、ストラップを用意しましたので、皆さんにお配りしたいと思います」
「きび田楽」は、香ばしいクルミが入ったやわらかい餅をきな粉で包んだ岡山の銘菓。約50年間作られました。31日には720個が用意されました。
(購入した人は―)
「県外の知り合いのところに行くときに必ずこれを持って行っていて、なのでショックでショックで」
「継いでもらえるなら継いでもらって食べられたらいいな」
「金萬堂本舗」は後継者不足などを理由に廃業を決めたということです。今後、製造を引き継ぎたい企業があれば譲渡を検討するということです。
(金萬堂本舗/工藤浩之 統括本部長)
「これからのことは未確定ではありますが、もし復活した場合には今後よろしくお願いいたします」
販売開始から約2時間、最後のお客さんの手に……。
(最後の客)
「よかったです。無理かなと思ったんだけど」
(店員)
「今までの50年間のことを思ったら、皆さんのおかげで支えていただいたんだなと思います」
(店長)
「これがほんとに最後です。ありがとうございました」
(店員)
「店長、おつかれさまでした」
(金萬堂本舗 さんすて岡山店/三牧敦子 店長)
「親子3代とかで来てくださっていたので申し訳ない。きび田楽を食べていただけなくなることが本当に申し訳ないと思っています。本当に感謝しています。ありがとうございました」