インターネットやゲームの依存状態にある子どもに、家族や支援者がどう関わればいいかを学ぶ研修会が高松市で開かれました。
香川県と、県から委託を受けた高松市の三光病院が開いたもので、保護者や学校関係者ら約80人が参加しました。
講師を務めたスクールカウンセラーの山下輝美さんは、子どものネットやゲームの長時間利用という「目に見える問題」ではなく、背景にある家族や学校生活などの問題に目を向けることが必要だと話しました。
(スクールカウンセラー/山下輝美さん)
「本当の問題は、どうして長時間ネットやゲームをするような状態になったのかということであり、『あの子がネット・ゲームをやめてくれたらいいのに』、『あの子が学校にさえ行ってくれたらいいのに』とあの子、つまり、子どもの責任にしていても解決することにはつながりません」
ネットやゲーム依存と重なるケースが多い、「ひきこもり」の家族支援を研究する宮崎大学の境泉洋教授は「家族が自分自身を否定しないことが、子どもへの温かい関わり方の土台になる」と訴えました。
(宮崎大学教育学部/境泉洋 教授)
「子どもにとって、口うるさい存在になってしまうというのが難しいところで、『口うるさい存在の人から言われるから嫌』ってなってしまう。家族も気持ちを楽にして、その気持を楽にした家族が本人を楽にする、といういいサイクルができるといいなと思っている」
香川県のいわゆるゲーム条例では「ネットやゲームの過剰な使用が、学力低下やひきこもりを引き起こす」としています。
境教授は「ひきこもりへの偏見によって孤立が生まれる」、「ゲームはひきこもりからの脱却に必要な、元気回復行動にもなる」と指摘しました。