老いと演劇をテーマにしたドキュメンタリー映画「OiBokkeShi 99歳の看板俳優」が、2026年11月20日から岡山市のシネマ・クレールで先行公開されることが決まりました。
映画「OiBokkeShi 99歳の看板俳優」は、岡山を拠点に活動する劇団「OiBokkeShi」の看板俳優、岡田忠雄さんと劇団の主宰、菅原直樹さんの活動を中心に描いています。
認知症の妻を介護していた岡田さんは、88歳の時に菅原さんと出会うと、2014年の立ち上げ時から劇団「OiBokkeShi」に参加。その後、看板俳優になりました。
99歳で「恋はみずいろ」に出演した岡田さんは、2026年5月に予定されていた100歳記念公演への出演を目指していましたが、2026年3月に亡くなりました。
映画では、KSB瀬戸内海放送が10年以上にわたって取材を続けてきた映像をもとに、演技に生きがいを求め続けた岡田さんが、妻との死別や自身の脳梗塞などの老いの現実に直面しながらも、最期まで舞台を求め続けた軌跡を描いています。
監督・撮影・編集はKSB瀬戸内海放送の記者・ディレクター、大野諭史。
映画「OiBokkeShi 99歳の看板俳優」は11月27日から「シモキタ - エキマエ - シネマ K2」での公開がすでに決まっていましたが、劇団が拠点とする岡山で先行公開されることになりました。
またこの映画には、劇作家で演出家の平田オリザさんら多くの著名人からコメントが寄せられています。
平田オリザさん(劇作家・演出家)
岡田さんが菅原君に出会った奇跡
菅原君が岡田さんに出会った奇跡
岡田さんが演劇に出会った幸せ
演劇が岡田さんに出会った幸せ
森山未來さん(俳優・ダンサー)
ボケにツッコまずにボケを返し続けると、それは虚構となり、演劇となる。茫漠とした世界に立ち尽くしても、触れ合う身体の感触だけが、その居場所を取り留める。
「介護者」と「被介護者」の間に存在する確かな現実と幻想世界から始まった「監督」と「役者」の欲深い共犯関係は、いつしか生死を超越していく。欲にまみれている人、欲からはすでに遠く離れたと思える人、そして芸能に携わる全ての人に薦めたい。
想田和弘さん(映画作家)
菅原演劇の、知られざる舞台裏。おかじいが直面する老い、ボケ、死、がオブラートに包まれることなく、赤裸々に描かれている。生きるって、老いるって、本当に大変だと改めて痛感したが、映画を観終えるころには、不思議なくらい、すがすがしい気持ちになっていた。精一杯生きるとはどういうことなのか、おかじいが身をもって見せてくれたからだと思う。