JR四国には年間4万点の忘れ物が届きます。その実態と返却率を上げるために、JR四国が10月に導入した新サービスを取材しました。
10月14日は多くの人の暮らしを支える「鉄道の日」。その駅や列車で後を絶たないのが「忘れ物」や「落とし物」です。
2025年度、JR四国が取り扱った「忘れ物」は約4万点。特に多いのが「財布や現金」「傘」「ワイヤレスイヤホン」です。このうち持ち主に返却できたのは9000点ほどにとどまります。
駅や列車での忘れ物について駅の業務を管理する千崎瑛祐さんに話を聞きました。
ホームに入ってきたのは、岡山駅と高松駅を結ぶ快速マリンライナー。この車内にも、忘れ物が多い場所があります。
(JR四国 業務マネジメント課/千崎瑛祐さん)
「車内では網棚の上や窓枠、座席周りによく落とし物がございます」
網棚に置いた荷物を取り忘れたり、窓枠にスマートフォンを置いたまま下車するケースが多いということです。
駅構内では、券売機で切符を買った時のお釣りの取り忘れや、ベンチから立ち上がるときの荷物の取り忘れも多いそうです。
(JR四国 業務マネジメント課/千崎瑛祐さん)
「列車を離れる際、駅で離れる際にお忘れ物がないようにご確認いただければ」
忘れ物・落とし物はどこへ…?
駅の構内で見つかった忘れ物は駅の事務室に届けられます。
一方、列車内では、終着駅での車内点検の時に回収されることが多いということです。
こうした忘れ物が集まる場所の一つが、高松駅の改札横にある「忘れ物取扱所」です。
(JR四国 業務マネジメント課/千崎瑛祐さん)
「駅や列車で拾得した落とし物はこのように保管しております」
事務室の一角に設けられ保管スペースでは、忘れ物や落とし物は、日付ごとに保管されています。
忘れ物は、高松や丸亀、坂出など7つの駅で保管しています。
一方、栗林や善通寺など5つの駅では、一定期間保管したあと、高松や多度津に移されます。
駅に届いた忘れ物は駅員が特徴などを管理システムに登録し、持ち主からの問い合わせに備えています。
JR四国では、最長2週間程度の保管期間を過ぎた忘れ物は警察に引き渡しているということです。
JR四国が導入した忘れ物問い合わせサービス「find chat」
こうした忘れ物を探しやすくしようと、 JR四国が10月に導入したのが忘れ物問い合わせサービス「find chat」です。これまで駅の窓口や電話で行っていた忘れ物の問い合わせが、インターネットから24時間できるようになりました。
さらに、サービスに登録している複数の事業者を一度の問い合わせで横断して検索できるのが特徴です。例えば、大阪駅から新幹線と在来線を乗り継いで高松駅まで来た場合。途中で落とし物をして、落とした場所が分からないときも、新しいサービスでは、JR西日本とJR四国をまたいで一度の問い合わせで忘れ物を探すことができます。
また忘れ物の登録にはAIも活用。画像から色や形などを読み取り、情報を登録することで、駅員の業務効率化を図ります。
利用者からの問い合わせ内容と登録された情報を照合し、忘れ物の候補が見つかるとメールで通知されます。
通知された情報をもとに駅の窓口で手続きをして忘れ物を受け取ります。
(JR四国 業務マネジメント課/千崎瑛祐さん)
「列車をお降りの際、また駅を離れる際は、今一度身の回りを確認していただいて、お客様ご自身の大事なものがなくなっていないか、落としていないか確認してからご利用いただければ」