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三大名瀑の水量が激減…観光地直撃 梅雨の遅れで苗捨てて田植え「あきらめた」

社会

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■滝の水量は減り観光船は航路変更も…

ABCテレビ 増田紗織アナウンサー 「栃木県日光市に来ています。滝から流れる水が少なく岩肌が見えてしまっています。水が風に流されてしまっている印象です」

 日本三名瀑の一つとして知られる「華厳の滝」。高さ97メートルの岸壁から落下する景色が魅力ですが、4年前の水量と比べると少なく見えます。

宇都宮から来た人 「8回くらい来ているかな。見たことないです、こんなに少ない水。やっぱり多い方がいいですよね、滝はね」

 水が少ない理由は、滝の水源である中禅寺湖にありました。遊覧船が発着する桟橋を取材すると…。

中禅寺湖遊覧船 船長 「(Q.本来であればここで乗り降りしているが今は?)今に限ってはこちらの場所ですね」 「(Q.階段三段分)三段分低い位置で」

 例年より水位が30センチほど低いことで乗り降りが難しくなっていたのです。さらに、湖の一部では底があらわに…。遊覧船の運航にも影響が出ているといいます。

ABCテレビ 増田紗織アナウンサー 「通常、こちらの桟橋では船が発着していますが、今は水位不足のためこのように通過しています」

 他にも、期間限定で運航予定だったコースは桟橋に接岸できないため運休となる事態に。勤めて15年になる山田さんは…。

中禅寺湖遊覧船 山田和行副支配人 「過去、私が勤めてからここまでということはない。早く梅雨入りしていただいて、雨が降ってくれることしかない」

■去年の猛暑にインバウンドの影響で…

 一方、都内のスーパーにも異変が起きていました。コメの棚を見ると商品が多く並んでいるように見えますが、実は。

スーパーさんよう 阿部芳邦取締役 「(商品によっては)“もう今シーズン終売です”というような案内を受けてるものも何品かあります。今までうちで取り扱いのなかった商品を扱うような形を取っております」

 去年の猛暑による不作や和食の人気などによるインバウンド需要の高まりで手に入りづらい商品も。さらに、価格については。

スーパーさんよう 阿部芳邦取締役 「(去年比で)10%から20%ぐらいは変わってきています。(銘柄によっては)30%弱ぐらいまでは上がってます。今年も夏の猛暑によって収穫量っていうのが落ちている、非常に少なくなってるという話はおうかがいしてますね」

■水がなく…苗を捨て「田植えあきらめた」

 農水省は「在庫量で見ると逼迫(ひっぱく)状況ではないので、冷静に対応してほしい」としています。

 米どころ・新潟。50年以上にわたりコメ作りをする村山さんの田んぼには、水が張られていません。

コメ農家歴50年以上 村山良一さん 「(田植えの準備をしたが)掛ける水が無くなって田植えの苗まで作ったんですけど、苗50枚程度を全部捨てて田植えを諦めてしまった。3日もしたらこういうふうに(田んぼに)傷が入っちゃって…」

 去年まで田植えをしていた田んぼは無数のひび割れが発生し、使い物にならない状態に…。2つの田んぼでコメ作りを諦めたと話します。

コメ農家歴50年以上 村山良一さん 「(今年は)雪解けが早くて、水も無くなったというのが、去年の秋に引き続いて今年に影響する」

 かろうじて、コメ作りを進めている田んぼもありますが…。

コメ農家歴50年以上 村山良一さん 「(Q.この水はどこから来ているもの?)地下をくぐって、沢に入ってる水が2、3日前は親指程度出ていたのが今は割りばしまでもいかない。これだけが頼みの水になっている」 「(Q.この水の量は足りている?)全然足りてません」

 この日の十日町の最高気温は今年最高となる32.4℃。村山さんは一刻も早い梅雨入りを待ち望んでいます。

コメ農家歴50年以上 村山良一さん 「10日から2週間くらい水が必要なのでその間に梅雨に入って、雨があればとは思っているんですけども」

■新潟県が開発“暑さ”に強いブランド米

 そんななか、新潟県では新たな取り組みが始まっていました。

株式会社花の米 松野千恵専務取締役 「高温耐性が強い、新しい新潟県が作った品種になります。食味もコシヒカリより良くて、粒ぞろいも良いので作りやすい。私たちとしても作りやすい品種ですね」

 近年の異常な暑さにも耐えられるコメの品種「新之助」。ここでは、その作付け面積を去年よりも増やしたと話します。

株式会社花の米 黒川義治代表取締役社長 「去年よりは1町部(田んぼ5枚分)くらい増やしました。販売も1番、うちでは今トップかな」

 しかし、近年続く異常気象に、危機感も抱いています。

株式会社花の米 松野千恵専務取締役 「“新之助”も高温耐性あるって言っても上限があると思うので、これ以上(暑さが)続くと厳しいと思う。(雨が少なく)雨が欲しいとこんなに思うことはなかった。ちょっと危機感がありますね」

(2024年6月16日「サンデーLIVE!!」)

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