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「子どもをこの国で育てたくない」 ロシア人口減少危機 国を去る若者の決断

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 ウクライナへの侵攻を続けるロシアで今、人口減少が急激に進んでいます。その背景の一つに「子どもをこの国で育てたくない」と、国を出て戻らない子育て世代の決断がありました。

ポルトガルに避難 アーニャさん 「暴力、戦争のプロパガンダが教え込まれます。『死ぬことは尊い(戦地に)行って死ね』と。そんな環境で子どもに育ってほしくないのです」

 ポルトガルに避難したアーニャさん。ロシアを飛び出しましたが、将来生まれてくる子のことを考えて、国には帰らない決断をしました。

アーニャさん 「(今のロシアでは)何でもありえます。政権は市民の声など聞かずなんでも行うでしょう。上の誰かがいつでもあなたの人生の何かを根本的に変えてしまえる世界です。これでは将来について長期的な計画を立てることはできません」

ロシア ペスコフ報道官 「我々の未来にとって破滅的だ。(生まれてくる子どもの数は)破滅的な少なさだ」

 ロシアで今年、上半期に生まれた新生児は59万9600人。ソ連崩壊後の混乱期の水準まで低下しました。

 出生率の低下に加え、人口を減少させているのは、帰国しない覚悟でロシアを出た多くの子育て世代の存在です。

アルゼンチンに避難 ポリーナさん 「(ロシアの出国時、税関職員は)紙にキリル文字で『平和』と書いてくれました。大変なフライトの重荷が解かれた時、私は涙を流しました」

 ポリーナ・ジュコフスカヤさんは2022年5月、妊娠中に必死の思いでアルゼンチンに避難しました。

 現地で生まれた子にはアルゼンチン国籍が与えられるため、ロシアからアルゼンチンを目指す人が後を絶ちません。

ポリーナさん 「帰りたくありません。私は知り合いにこう言っています。『私が自分の子どもに与えられる最高のものは、アルゼンチンでの子ども時代だ』と」

 ポリーナさんのように、ロシアに戻らないと決めて国を出た若者は、少なくとも65万人に上るとみられています。

 子育て世代の流出に加え、戦争による死者がロシアの人口減少に拍車を掛けています。

 BBCなどによりますと、戦死したロシア兵は名前が確認できただけでおよそ7万人。実際にはさらに多いとみられています。

 ロシアの大統領府に近い関係者は、「このまま特別軍事作戦を続ければ国力は衰退する一方だ」と語っています。

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