イスラエルのガラント国防相が解任されたことが分かりました。ガザ地区での停戦や人質解放の交渉に前向きとされていただけに停戦合意は遠のきそうです。
イスラエルのネタニヤフ首相は5日、ガザ地区での戦闘を巡って「信頼が損なわれた」としてガラント国防相を解任したことを明らかにしました。
「ガラント氏との間の溝を何度も埋めようと試みたが広がってしまった」と述べています。
後任にはカッツ外相を指名したとしています。
アメリカのニュースサイト「アクシオス」は、バイデン政権にとってガラント氏は最も信頼できるパートナーだったと伝えています。
一方のカッツ外相については、軍歴がなく国家安全保障問題に対応した経験も浅いと指摘しています。
ガラント氏は自身のSNSに「イスラエルの安全はこれまでも、これからも私の人生の使命であり続ける」とコメントしました。
ガラント氏はガザ地区での停戦や人質解放の交渉に前向きな立場で、戦闘を継続する考えを曲げないネタニヤフ首相に真っ向から反対するなど対立をしてきました。
今回の解任に対して抗議集会が呼び掛けられているほか、停戦合意がさらに遠のくとの見方もでています。
ハマスに家族らが人質として捕らえられている人たちの支援団体は「この突然の交代が、拘束されている人質の運命にどのような影響を及ぼすのか深い懸念を表明する」と声明を出しました。
そのうえで、後任のカッツ外相に対しては「人質取引を優先し、仲介者や国際社会と緊密に協力をしてすべての人質の即時解放を期待している」と訴えました。