香川県独立の父と呼ばれる中野武営や、その時代の資料を、香川大学がデジタル化して保存・公開しようと取り組んでいます。開始から約1年、どこまで進んでいるのか取材しました。
こちらが香川大学イノベーションデザイン研究所が開発中の「時空間デジタルアーカイブ」のプロトタイプです。現代から明治時代までの高松市の地図を、簡単な操作でさかのぼることができます。
地図上には、その時代にその場所で撮影された写真などの資料を蓄積していき、直感的にみることができるデータベースです。
例えば、明治時代の地図上で高松城の周辺をクリックすると、天守閣から瀬戸内海を撮影した写真が出てきます。この天守閣はその後取り壊されたため、まるでデジタルデータ上でタイムトリップを体験しているようです。
(香川大学創造工学部/國枝孝之 准教授)
「なかなか(中野武営の)新しいデータは発掘されないのが実情なんですが、そういうデータを入れる器時空間のプロトタイプを作っている」
この事業を進めている香川大学創造工学部の國枝准教授がアーカイブのテーマにしているのが、香川県独立の父と呼ばれる中野武営のデータです。
中野武営は、江戸時代の高松藩に生まれ、明治から大正時代にかけて政治家や実業家として活躍。特に香川県の独立に尽力しました。
この中野武営の功績をデジタルデータで次の世代に残そうと、武営の顕彰活動などをしている松平公益会と連携し取り組んでいます。
中野武営に直接関わるものだけでなく、当時のさまざまな写真や資料を集めて立体的なデータベースの構築を目指しています。
(香川大学創造工学部/國枝孝之 准教授)
「中野武営が活躍した時代、高松の産業・自然・港・海とかの写真とかも合わせて集めて行こうと今、始めているところです」
これまでに100点以上の貴重な資料をアーカイブしました。國枝准教授は、中野武営の銅像が出来る2024年の秋までには武営のデジタルアーカイブを完成させたいとしています。