香川県独立の父と言われる中野武営を紹介した本が完成し、県内の小中学校に寄贈されることになりました。
(記者リポート)
「こちらが中野武営の功績を紹介した本です。約50ページで随所に挿絵が入っていて非常に見やすいです」
香川県独立の父といわれる中野武営は明治から大正にかけて政治家・実業家として活躍しました。しかし、その業績を知る人が少ない事から、武営について知ってもらおうと取り組んでいる顕彰会が1冊の本をつくりました。
原稿と挿絵は顕彰会のメンバー2人がそれぞれ担当しました。
明治維新後、香川県は徳島県や愛媛県に含まれていた時期があり、独立を果たしたのは1888年・明治21年。現在の都道府県では一番遅く設置されました。本には、武営の香川への強い思いや独立のために奔走する様子が描かれています。
顕彰会では本を1万5000部つくり、このうち9000部は香川県の全ての小中学校に寄贈します。
(中野武営顕彰会/佐伯勉 会長)
「子どもさんが勉強でいろんなことを調べたり考えたりすると両親もさらに少なからず知ってもらえる、この上に、おじいちゃんおばあちゃんがいる、そうすると家族全体が武営について何らかの知識なり情報を身に付けていただける」
顕彰会では、本の朗読を聞けるWEBサイトも制作しました。2024年の10月には武営の銅像を玉藻公園の正面に設置する計画があり、準備を進めています。目標にしていた3000万円の募金にもほぼめどが立ち、香川県出身の彫刻家・池川直さんが既に制作を進めています。
香川大学では、武営の写真や当時の資料のデジタル化を進めるなど、武営の功績を地域に知ってもらう動きが広がりをみせています。