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ミスによる救急車の到着遅れ2件…笠岡地区消防組合が不祥事「公表基準」の内規を策定 岡山

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 笠岡地区消防組合で2022年、職員のミスで救急車の現場到着が遅れ、搬送した人が亡くなったケースが2件ありました。消防組合は、2件とも「遺族の意向」を理由に公表していませんでしたが、7月、不祥事の公表基準についての「内規」を新たに定めたことが分かりました。

 笠岡地区消防組合によりますと2022年2月、救急車の盗難防止装置が誤って設定されていたため解除に手間取り、出動が6分遅れました。

 2022年12月には、職員が誤った住所に救急車を出動させ、現場到着が10分遅れました。どちらも病院に搬送された人は亡くなりましたが、搬送先の医師からは救急車の遅れとの因果関係はないと話があったとしています。

 2件のミスは、「遺族の意向」を理由に6月、共同通信が報じるまで公表しておらず、笠岡市議会でも批判の声が相次ぎました。

(笠岡市議会議員)
「事案があったら報告をしなきゃ対策がとれない」
「隠していたことで、他にもこういう事案があるんじゃないですか」

(笠岡地区消防組合 消防本部/浅野善弘 消防長・14日取材)
「所属長会議を瞬時に開きまして情報の共有と再発防止を指示しておりますので、職員の中でもそれを内部で隠蔽するであるとか、そういうことは全く考えておりません」

 7月14日、KSBの単独インタビューに応じた浅野消防長。
 組織内の隠蔽の意図を改めて否定した上で、ミスや不祥事の公表基準を定めた「内規」を作り、7月3日に全職員に通知したことを明らかにしました。

(笠岡地区消防組合 消防本部/浅野善弘 消防長)
「今回、さまざまなご意見をいただきまして、やはり個人情報に関することは控えさせていただきながら、社会的に影響があるような事案は公表をさせていただくという前提で、ご家族の方にも説明をさせていただく」

 消防組合によりますと、事案の大きさに応じて、報道機関から取材があれば応じる「取材対応」、緊急の「資料提供」、会見などを開く緊急の「記者発表」という3つの段階で公表します。

 一方で、今後も公表に関しては「遺族の意向を尊重する」としていて、再発防止につながるのか不透明です。

記者「なぜ公表しなかったという理由で『遺族の強い意向』と言われると、こちらとしてはなかなか真偽を確認しづらい。今回新たにできた内規でも、そこは何かちょっとグレーゾーン(が残る)」
浅野善弘 消防長「やはりご遺族、ご家族の方が強くそこ(公表)を希望しないような案件を我々が情報発信すると、その方々にご迷惑がかかるようなことも考えられますので、そこは慎重に対応していきたい」

記者「遺族の意向がどうであろうが、概要だけは発表するということはない?」
浅野善弘 消防長「外部に公表するのも重要でもありますが、我々はやはり職員、職員にしっかりそのことを周知徹底をして、再発防止というところへつなげたい」

記者「今後(この2件と)全く同じケースがあったら公表はする?」
浅野善弘 消防長「公表する基準の中に含まれております」

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