倉敷中央病院が高機能の救急車「ドクターカー」を買い替えるためのクラウドファンディングを始めました。地域の基幹病院がクラウドファンディングを利用する理由とは?
倉敷中央病院のドクターカー。一見、消防署などにある救急車と変わりありませんが――。
(記者リポート)
「こちらのドクターカーには、出力が調整できる除細動器が乗っているなど行政の救急車より高度な医療が提供できるということです」
薬剤を投与する機器や医療機械を使うためのバッテリーなどが搭載されています。
ドクターカーは医療機関からの要請を受けて、医師ら医療従事者を乗せて患者の元へ向かい治療をしながら倉敷中央病院へ運びます。
17年前に導入したこの車両はこれまでに7000件以上出動。走行距離は34万kmを超え、買い替えが必要になりました。
費用は総額約1600万円。しかし倉敷中央病院の院長は27日の会見で――。
(倉敷中央病院/山形専 院長)
「財政的にもかなり苦しい」
新型コロナの影響で受診する人が減っていて、倉敷中央病院によりますと2021年度の外来患者の延べ人数は約62万人。コロナの影響を受ける前の2019年度と比べて5万人ほど減りました。
医療による収支は約6億7000万円の赤字となっています。
またクラウドファンディングをするのはお金だけでない理由もあると言います。
(倉敷中央病院/山形専 院長)
「今回、これを機会に、財政的な面もあるが、ドクターカーの存在、救急医療の必要性も市民に理解いただきたい」
ドクターカーのクラウドファンディングの目標金額は1000万円で9月末まで受け付けています。