香川県の「ゲーム条例」が憲法違反かどうか争われた裁判で県が支払った弁護士費用が「高すぎる」と住民が返還などを求めたもう一つの裁判です。最高裁は住民側の上告を退けました。
子どものゲームの時間の目安などを盛り込んだ香川県のゲーム条例は「憲法に違反する」として元高校生らが県に損害賠償を求めた裁判は、2022年8月、高松地裁が原告の訴えを退ける判決を言い渡し、確定しました。
この裁判で、被告の香川県は顧問弁護士に加え、東京と愛知の弁護士に代理人を委任し、3人に着手金と、勝訴を受けた報酬金あわせて約485万円を支払いました。
香川県に住む元高校教師やITエンジニアら男女5人は「この弁護士費用は違法な支出だ」として返還などを求めて県を提訴。
高松地裁、高松高裁ともに「裁判の重大性や難しさを考慮すれば3人の代理人選任や報酬の算定は妥当」などとして原告側の訴えを退けていました。
原告側は上告し、「最高裁に条例そのものの違憲性も積極的に判断してほしい」としていました。
最高裁第二小法廷は「上告が許される事由に該当しない」などとして4月26日付で上告を退けました。
原告の一人、松崎光成さん(68)はKSBの取材に対し、「不当な判断で悔しいが、裁判を通じてこの条例が問題だらけということは明らかにできたと思う」とコメントしています。