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【解説】SNS型投資詐欺の被害が急増 3000万円超被害の岡山の女性が語る巧妙な手口とは?

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 SNSを使って投資に誘導し、金をだまし取る「SNS型の投資詐欺」の被害が増えています。岡山県で被害に遭った女性に話を聞くとその実態が見えてきました。

 SNSに掲載された偽広告には有名な実業家の写真とともに投資へと誘う言葉が。

 岡山県に住む40代の女性Aさんは2024年3月、この広告にアクセスしてしまいました。

(SNS型投資詐欺の被害者/Aさん [40代])
「世間で『貯蓄から投資へ』みたいなワードと、私の周りでも投資の話をする機会が多くて、勉強しとかないと世の中についていけないなと」

 アクセスするとLINEに誘導され、投資アナリストと名乗る人とのやり取りが始まりました。

(SNS型投資詐欺の被害者/Aさん [40代])
「1カ月半ぐらい0から投資の勉強。最初は投資をするにあたっての心構えとかちゃんと丁寧に教えてもらえる」

 そして「勉強から実践へ」と実際の投資を促されました。

 相手に指示されたタイミングと金額で通貨を売買すると、Aさんのスマホの投資アプリにはその金額が反映され、グラフ上では利益が上がっていました。

(SNS型投資詐欺の被害者/Aさん [40代])
「勝ち負けって言ったら変だけど、負けることはないみたいな感じですね。その頃にはもう私もだんだん、今思えば自分を見失っていたというか」

 そのままAさんは約2週間にわたって毎日のように投資し、貯蓄していた3000万円以上を投入しました。

 しかし、ある夜「すべて詐欺だった」という夢を見たのがきっかけで不安が芽生え、警察に相談したところ詐欺被害が分かりました。

(SNS型投資詐欺の被害者/Aさん [40代])
「お金を取られたことに最初はショックを受けたんですけど、やっぱりお金だけじゃなくて心を奪うなと思って。そうやってだまし取った人が簡単に使ったりしているんだろうけど、そこが一番悔しいかな。人を1人殺すような犯罪だと思います」

 このSNS型投資詐欺の被害は2024年に入って急激に増えています。岡山県では4月末までに37件、香川県では79件の被害が発覚しています。

 その特徴は「被害が高額」であることです。

 1件当たりの平均被害額は岡山県では1150万円、香川県では850万円となっていて、ほかのタイプの詐欺と比べても高くなっています。

 この背景にあるのは……。

・やり取りが長く丁寧
・複数人が「稼げた!」
・実在する「偽アプリ」

 これらは相手を長期間にわたって深く信じ込ませる巧妙な罠なんです。

(香川県警 生活安全企画課/遠山敬久 調査官)
「まず長時間かけて被害者とメッセージのやり取りをする。被害者を信用させることから始まります」

 Aさんの事例をみてみると、投資アナリストとSNSでやり取りを始めてから、実際の投資を促されるまで1カ月以上かかりました。

(SNS型投資詐欺の被害者/Aさん [40代])
「うまくできなくても別に急かされるわけでもなく信用に値しちゃったんですよ。その分向こうも真剣なんだよっていうのを私は感じた」

 信用を十分に高めることで1カ月以上にわたってだまし取られるケースも少なくないといいます。

 Aさんは70人以上が参加するグループトークにも招待されました。

(SNS型投資詐欺の被害者/Aさん [40代])
「ずっと盛り上がっていますね。(投資額の)桁が違う人がいっぱいいて、それに私はちょっと焦りというか、同じように眠っている貯蓄をそうしておいた方がいいのかな」

(香川県警 生活安全企画課/遠山敬久 調査官)
「被疑者が数台の端末を利用してサクラとしてやり取りしているパターンもあるし、なかには実際に被害者(Aさん)と同じような別の被害者の方が混じっている可能性もある」

(SNS型投資詐欺の被害者/Aさん [40代])
「アプリも全部偽物っていうのが思いもしなかったんで、検索したらアプリもちゃんと出てくるものだし」

 Aさんが自身の利益を確認していた投資アプリ。実は中身は偽物で、犯人がグラフなどを操作していたとみられています。

 しかし、そのアプリの名前や中身のデザインは実在する投資アプリと全く同じもの。そのため、被害者がインターネットなどで調べても「アプリは実在しているから利益も本物だ」と信じ込んでしまうといいます。

 これらの手口に加え、「恋愛感情」を抱かせて金をだまし取る「ロマンス詐欺」も流行しています。

 香川県に住む50代の男性は、東京に住む女性経営者を名乗る人物からSNSにメッセージが届きました。やり取りを重ねる中でお互いに経歴や趣味も共有し、顔写真まで送られてくるようになりました。

 すると女性は「経済に詳しい『おじ』がいて、指示通りに投資すれば儲けられる。私と結婚して会社を継いでほしい」などと男性を誘惑。

 男性は約1200万円を投資してしまいましたが、その後、女性は音信不通になりました。

 SNSを使ったこれらの投資詐欺の被害に遭わないためには、手口を知った上で「SNSで知り合った人からの投資話は詐欺を疑う」ことが大切です。

 そして「知らない人からのトーク・グループ招待が届かないようにSNSを設定する」など、具体的な対策を家族や知り合いに勧めることも被害を食い止めるために必要です。

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