Park KSBアプリに寄せられた疑問をもとにお伝えする「みんなのハテナ」。7月に入ってますますビールがおいしく感じる季節になりましたよね。今回はそのビールについてです。
高松市松島町の瀬戸内です。2022年からビールの醸造を始め、現在は約20種類のビールを販売しています。
今回は醸造担当の岡本さんに答えてもらいました。
「クラフトビールとはどんなビール?」(岡山市 はんな 54歳)
(瀬戸内 醸造担当/岡本淳芳さん)
「クラフトビールと言われるものは、いろいろな個性的な味わいを持つビール、というところがありまして、大手(メーカー)のビールをみなさんよくお飲みになられると思うんですけども、それとは違うところが、小さな醸造所でさまざまな味わいを作るというところが特徴になってきています。日本酒でいう地酒ですからね」
つまり、クラフトビールとは小規模な醸造所がつくるビールのこと。大量生産で一貫した味を目指す大手メーカーとは違って、その醸造所だけのオリジナリティーが魅力なんだそうです。
ちなみに瀬戸内が手掛けるクラフトビールには、ウメやレモンなどの果実を使ったものや、まるでスダチたっぷりのうどんを食べたときのような爽快感が味わえるものなど、個性豊かなものがありますよ。
「黒ビールと普通の違いは?」(さぬき市 パン大好き 60歳)
ご存じの方も多いと思いますが、黒ビールとは文字通り黒色のビールのこと。なぜ黒ビールは黒いのか。
実は、「原料」に違いがあるんです。
(瀬戸内 醸造担当/岡本淳芳さん)
「こちらが一般的なビールに使われるモルト、麦芽ですね。あとこちらがですね、黒ビールに使う麦芽です。かなり色が違うと思うんですけども、黒いビールを作るときに使う麦芽はコーヒーと同じように焙煎されているものになります」
一般的なビールに使う麦芽と比べると、全然違います。麦芽を焙煎することで、ただ色が黒くなるだけではなく、コーヒーやビターチョコレートのような香ばしい香りがするんだそうです。
「何℃で冷やせば一番おいしい?」(高松市 まいじー 57歳)
(瀬戸内 醸造担当/岡本淳芳さん)
「一般的によく飲まれるビールですと、だいたい5~8℃くらいを目安にしていただければと思います。ビールの温度が若干高い方がおいしいものが多いので、冷蔵庫から出してすぐではなく、ちょっとおいていただいて飲んでいただく方が麦の甘みだったりとかうま味、苦味のバランスが分かりやすい」
一般的な冷蔵庫の適正温度は約3~5℃程度とされているので、冷蔵庫から出し、少しおいてから飲むと、ビール本来の味を感じやすいということですね。
またグラスに注ぐときには、あえて高い位置から入れて、泡立てることで程よく炭酸が抜けて、口当たりがまろやかになるそうですよ。
ビールはキンキンに冷やして、のどごしを楽しむものという方も多いと思いますが、ちょっと違った味わいを楽しんでみてはいかがでしょうか?
「なぜ短時間で大量に飲めるの?」(丸亀市 あうろ 67歳)
消化器病専門医の大原さんに、その理由を伺いました。
(屋島おおはら内科・消化器内科クリニック/大原芳章 院長)
「ビールを飲むことによってガストリンという成分が分泌されることによって、胃の内容物が早く十二指腸、小腸の方へ流れていくことになります」
大原さんによると、ビールを飲むと胃からガストリンが分泌されます。「ガストリン」は胃の入り口付近の動きを抑え、胃の出口付近の動きを促進させる働きがあります。
そのため胃の中に溜まったものがどんどん小腸に排出され、胃は空っぽになり、さらにビールが飲める、というサイクルなんだそうです。
水とは違いアルコールには利尿作用もあるため、それも関係しているということです。
「なぜ暑いとビールがおいしくなる?」(倉敷市 りえせばば 66歳)
夏にビールが飲みたくなるのはどうしてなのか、管理栄養士の大佛さんによると……。
(屋島おおはら内科・消化器内科クリニック 管理栄養士/大佛早苗さん)
「ビールの苦味と炭酸っていうのは、暑さで鈍くなっている感覚に刺激を与えてリフレッシュ効果があるので、そこも大きな原因かなというところですね。苦さって漢方とか中国医学の伝統的な理論からいうと、暑さを和らげる、こもってしまった余分な熱とか放出させる効果があるともいわれているので、そういったメリットもあるのかなという」
ビール独特の苦味が夏に飲みたくなる一つの要因のようです。
(屋島おおはら内科・消化器内科クリニック/大原芳章 院長)
「アルコールの飲み過ぎは肝臓にもダメージを与えますので、くれぐれも注意してアルコールをたしなんでください。」