今回のいまココナビは、岡山県倉敷市中心部にある子どもが喜ぶスポットです。
作家が心を込めて作ったテディベアに出会えるお店と、好みにあった絵本を一緒に探してくれる絵本店。どちらの店にも店主の思いが詰まっています。
個性豊かな手作りテディベア
(記者リポート)
「こんにちは。たくさんのベアに見つめられています」
倉敷美観地区にあるテディベアのショップ「アートスペース路ゞ」
ブラシをかけているのはテディベア作家の石原路子さんです。
(テディベア作家/石原路子さん)
「(Q.お手入れは抱っこされてするんですか?)そうですね。抱っこした方が気持ちが伝わるので。ふふっ」
(記者リポート)
「この感じは初めて子どもを抱いた時の感じですね」
ひと口にテディベアといってもそれぞれに個性があります。
つぶらな瞳とあどけない表情に引き込まれるベア(セピア 10万1200円)です。
深~いワインレッドが目をひくベア(アダム 2万8600円)は、チップドモヘアという、毛先と根本で違う色の毛を使っています。
毛の密度が低く、素朴でアンティークな雰囲気のベア(アルフィー 2万5300円)もあります。
素敵なベアが並ぶお店には県外からもファンがやってきます。
(女性客)
「(Q.しばらく見入ってますけど?)澄んだ目に。ちょっとおでこのとこが、前髪がある感じでかわいい。(Q.やんちゃな雰囲気が?)やんちゃな雰囲気がある感じでかわいい」
(女性客)
「気になる子はあっちの。色合いがかわいい。足裏の肉球も。(肉球の)ボリューム感がね。首もこうなってんのがかわいい。上見て『買ってー』みたいな、上見ながら」
この店のテディベアはパターン作りから縫製まで手仕事で作られています。石原さんは25年の経験を持つベテラン作家です。
(テディベア作家/石原路子さん)
「私とテディベアの出会いは、古いアンティークのベアをすごく大事にされてる方がいて。もし自分が作ったテディベアが大切にされてると思ったら、すごい素敵なことだろうなって思って、私もテディベア作ってみようって思って」
石原さんはテディベアが家族の一員として迎えられ、子どもたちが思いっきり遊んでくれたらうれしいそうです。
(テディベア作家/石原路子さん)
「チュッチュ、チュッチュしたり、たくさん遊んでほしいですね。汚れても傷が入ってもいいんです。それがこの子たち、ベアにとっては、愛された証ということなので」
絵本専門店でお気に入りの一冊を
JR倉敷駅の近くにある住宅街の中で目をひく建物。絵本専門店「つづきの絵本屋」です。
店内だけでも2000冊以上が並びます。
店には最新刊、ロングセラー、季節の本を紹介するコーナーなどがあり、様々な絵本が整理されて置かれています。本の並べ方、見せ方には店主の強いこだわりがあります。
(つづきの絵本屋/都築照代さん)
「やっぱり絵本は表紙から物語が始まってるんですね。子どもがちょうど(本を)取れるし、目に入る高さにしています」
都築照代さんは小学校の図書館などで15年ほど勤務し、「とことん絵本に関わりたい」との思いから2016年にこの店をオープンしました。
絵本好きな人同士がつながる場を作るため、愛好家が集まるイベントや併設したギャラリーで作家の原画展を開いています。
また都築さんは日本紅茶協会のティーインストラクターの資格を持っていて、紅茶と手作りのお菓子をいただきながら、絵本に思いをめぐらせ、ゆっくり時間を過ごすことができます。
絵本好きにはたまらない場所を作る都築さん。お客さんに絵本を紹介する時に大切にしていることがあります。
(つづきの絵本屋/都築照代さん)
「その方の話を聞いてからいろんな絵本を紹介して差し上げようと、とことん何が好きとか。たぶん最初に来た方は不思議だと思いますよ。本を買いに来たのに何でこんなに聞かれるのって(笑)思うと思うんですけど……」
都築さんは絵本の知識や読み聞かせの高い技術など絵本の専門家であることを証明する「絵本専門士」の養成講座の講師も務めています。
今、子育てをしている人には、たくさん読み聞かせをしてもらいたいと話します。
(つづきの絵本屋/都築照代さん)
「今なんですよ、と伝えたくて。子どもは本当にどんどん大きくなるので。一緒に、読み聞かせをして過ごせる時間って、限りがあるので、大切にしてもらいたい。忙しいとは思うんですけど。子どもって、その絵本とお母さんやお父さんの声と、読んでもらった人の膝にのってたら膝の温かさだったり覚えてるんですよ。それって親子の宝」