みなさんから寄せられた疑問に答える「みんなのハテナ」です。暑さが少しだけ落ち着いてきましたが、ゆっくりと読書などはいかがでしょうか。今回のハテナは「図書館」についてです。
伺ったのは、高松市林町の「香川県立図書館」です。2024年3月で開館30年を迎えました。
香川県の図書館では最も多い約113万冊を所蔵しています。図書館の疑問を、司書の土井由紀さんに伺っていきます。
「本はどう選ぶ?」(総社市 キノリ 41歳)
(香川県立図書館/土井由紀さん)
「県立図書館では平日、毎日書店から新しく出版された図書が届きます。それを各コーナーの担当の司書が実際に手に取って内容を確認して選んでいます」
なんと毎日、図書館にこの本を入れてくださいという提案があるそうです。
(記者リポート)
「きょう届けられたばかりの本が、ここに57冊あります。この中から選定作業を行います」
香川県立図書館では50~60冊の本を5人の担当者がその日のうちに目を通します。
また出版社の「新刊図書リスト」からも購入したい本を選び、最終的には、本の購入を決める委員会で決めます。
だいたい選定した本の中で、4割を超えるくらいを購入するそうで、購入しなかった図書は書店を通じて出版社に返却されます。
ちなみに2023年は1万2千冊ほどの図書を約2千万円で購入しました。
(香川県立図書館/土井由紀さん)
「あと長年読み継がれている本とか人気のある本などは、古くなって傷んだりするので買い替えたりもしています」
「本は消毒する?」(倉敷市 ふみふみ 68歳)
(香川県立図書館/土井由紀さん)
「返却された時に表面がちょっと汚れていたりしたら専用の液で拭いたりはしています。自分の持ち物と同じように大切にしていただきたいです」
図書館のバックヤードでは、傷んだ児童書などをひとつひとつ丁寧に専用の接着剤などを使って修復する作業をしています。
「古くなった本はどうする?」(高松市 サクラ 39歳)
(香川県立図書館/土井由紀さん)
「基本的に一度受け入れたものは捨てることはありません。図書をしまっておくスペースが閲覧室以外にもありまして、書庫というんですけど、そちらに保存するようになります」
県立図書館の書庫にお邪魔しました。閲覧室に比べると、本棚と本棚の間は狭いですね。
書庫の本は利用者からリクエストがあれば、スタッフが探して貸し出しをしています。
ちなみに閲覧室には22万冊、書庫には100万冊まで図書を収容できるそうです。
(香川県立図書館/土井由紀さん)
「(Q.今は113万冊を所蔵しているということですがまだ収容できますか?)もうすぐ埋まってしまうかな。計算上ではそのようになっていますが、大丈夫です」
「なぜ新聞がある?」(総社市 Okakazu 30歳)
このハテナは、同じく司書の廣瀬さんにお答えいただきます。
(香川県立図書館/廣瀬暁子さん)
「図書館には多数図書がありますが、新しいニュースが載るまでには時間がかかります。その点新聞には最新のニュースが載りますし、地元の小さなニュースも載りますし、あとから記事を探すこともできますので大変便利です」
「並べ方に決まりは?」(高松市 とも 56歳)
(香川県立図書館/廣瀬暁子さん)
「本棚の左側から右側に向かって本の背表紙に付いているラベルの記号順に本を並べることになっている」
日本のほとんどの図書館では「日本十進分類法」という方法で分類しています。
さらに県立図書館ではその分類の次に、著者の記号を組み合わせてラベルを作っているそうです。
日本の現代小説の分類は9136で、さらに赤川次郎さんならA33、そして同じシリーズなら同じ番号の後ろにハイフンを付けて番号を記しています。
同じような内容で、同じ著者の図書はまとめて並ぶようになっています。
レファレンスサービスとは?
最後に、図書館で司書のスタッフが行っているサービスをご紹介します。
(香川県立図書館/廣瀬暁子さん)
「レファレンスサービスというのがありまして、司書が図書館の本を使って利用者の方の調べもののお手伝いをするサービスです」
何でもインターネットで検索して知った気にになってしまう現代ですが、司書は、図書館の資料を使って利用者の調べものをお手伝いしてくれます。特に地元の図書館には郷土の資料が豊富にあります。気軽に声をかけてみてください、とのことです。