突然の病で手足を切断した男性が11日、ロードレース大会に出場しました。義手と義足での生活を余儀なくされる中、10kmを走り切ることに挑みました。
(安原大策さん)
「よし、行くぞ!」
岡山県吉備中央町で開かれた「岡山吉備高原車いすふれあいロードレース」。この大会に出場した安原大策さん、39歳です。
エントリーしたのは車いす部門ではなく一般・10kmランの部門です。
(安原大策さん)
「すごく気持ちよく今走れています」
秋晴れの中、義手と義足で駆け抜ける安原さん。病で手足を切断したのは1年ほど前のことです。
(安原大策さん)
「『早く(手を)切断しないと壊死が進んでしまう』という話を聞いた次の日から自分がすごくベッドの上で暴れたりとか、人をにらみつけたりとか怒っている様子だったらしいんです。だから相当、ショックを受けたんだろうなと、今思いますね」
安原さんが診断を受けた「電撃性紫斑病」は急激に皮膚の出血性壊死が進行し、時に死に至る重い病。
致死率は40%との報告もあり、命を取り留めても四肢切断などの重度の障害が残るケースもまれではありません。
それでも、吉備中央町の病院でのリハビリを経て、9月から仕事にも復帰しました。
出走前―
応援に駆け付けた会社の仲間とも言葉を交わしました。
(同僚)
「まだ会社に復帰して1カ月半。無理しないで」
号砲が鳴り、走り出した安原さん。本番前最後の練習ではトラックで10kmを走り切ったということでしたが……。
(安原大策さん)
「練習と違って上りがかなりきついので、体力だいぶ使いますね」
このアップダウンの激しいコースは、想像以上に厳しいようです。
観客「頑張って!」
安原さん「頑張ります!」
ともにリハビリに取り組んだ理学療法士・関戸さんと作業療法士・柳田さんとともに挑む目標は「90分以内の完走」です。
(安原大策さん)
「めちゃくちゃきつい。応援が何とか今、前を向かせてくれています。それがなかったら多分もう帰っていると思います」
ランナー「頑張って!」
安原さん「ありがとうございます! 頑張りましょう!」
半分の5kmを超え……。
(安原大策さん)
「いける。下りだったら全然いける。これから下りが多いんですよ。もう(完走が)見えてますね。きょう絶対ビール飲もう」
(安原大策さん)
「きょうまでの道のりのことをずっと考えながら走ってたんですけど、申し込みした時はまだ1kmも走れない、病院で走る練習が始まったぐらいで。今ほんとに走ってるんだと思うとちょっと泣けてきますね」
(安原さんを担当した理学療法士/関戸敦史さん)
「僕も勇気づけられる」
ゴールは安原さんがリハビリに励んできた病院。
(安原大策さん)
「あと少しなんで。体力が……。足もめっちゃ痛いですけど、最後まで走り切ります。気力だけで」
(安原さんを担当した作業療法士/柳田麻優香さん)
「もう吉備リハ(ゴール)」
(安原さんを担当した理学療法士/関戸敦史さん)
「入院してきた時のことを思えば乗り越えられる。ここまできたんだから。リハビリを思い出して」
タイムは1時間55分5秒。
(安原大策さん)
「うれしかったです。足めっちゃ痛いですけど。目標の90分は切れなかったんですけど、2時間切った。最後皆さん応援してくださったんで、それが力になりました」
完走証を受け取った安原さん。目標には届きませんでしたが「深く感動を与えた」として特別賞が贈られました。
(安原大策さん)
「めっちゃ気持ちいいですね、最高です。また走ります、絶対」