レーシングカートで世界を目指す岡山県倉敷市の中学1年生、福田胡央(ふくだ・こお)さん。難病を抱えながらも、夢に向かって突き進むひたむきな姿を追いました。
倉敷市の中高一貫校、倉敷天城中学校に通う福田胡央さん(13)。勉強が好きだという福田さん。クラスメートもその学力に一目置いています。
(クラスメート)
「勉強もすごく真面目で本当にずば抜けてました、塾で」
そんな福田さん、握っているのはシャープペンシルだけではありません。レーシングカートのハンドルです。
時速100km近いスピードで、サーキットを駆け抜けます。目線の高さは地上わずか60cm。体感速度は時速200kmを超えるとも言われています。
(福田胡央さん)
「最初はちょっとだけ怖かったけど、楽しい方が勝ってるし今は全然怖くもない」
福田さんの持ち味は華麗なコーナリング。路面の変化やタイヤの状態を瞬時に読み取りマシンを操ります。
(福田さんの所属チーム代表/赤座武典さん)
「きょうみたいな寒い日だとタイヤがグリップしないので、グリップの限界を自分で探りながらうまく走ることが上手」
福田さんの現在の練習拠点は、神戸市にあるサーキット。月に約2回、母・真弓さんが運転する車にマシンを積み込み倉敷市の自宅から通っています。
(母・真弓さん)
「(Q.大変では?)大変じゃないと言えばうそになる。すごく大変です。本人が好きだからやらせてあげたい。それだけでやっている」
福田さんは家族全員がF1ファン。レーサーを志すきっかけとなったのは、ある「世界的な選手」との出会いでした。
(福田胡央さん)
「小さいころにF1を見に行っていて、そのときにルイス・ハミルトン選手が1位になったところからかっこいいなと思い、あそこにいきたいと思いやろうと思った」
小学2年生で本格的に競技を始めるとすぐに才能が開花。数々の大会で表彰台にのぼり、小学6年生の時には徳島県で開かれた大人の大会でも優勝しました。
このころ、KSBのカメラの前で語っていた目標は……
(福田胡央さん・当時小学6年)
「将来は世界で戦えるドライバーになりたい」
しかし、福田さんはこのころから病と向き合うことになります。
(福田胡央さん)
「潰瘍性大腸炎という、大腸の中に潰瘍ができてむちゃくちゃお腹が痛くなる病気」
2025年1月、国の難病に指定されている潰瘍性大腸炎の診断を受けました。夏には5週間の入院生活を余儀なくされ体重は発症前から11kgも落ちました。
(福田胡央さん)
「一生治らないから、なんでこんなことになったんだろうみたいな。カートとかできなくなる不安の両方が押し寄せてきて、むちゃくちゃ悲しかったです」
今も通院と治療を続けながら大好きなマシンに乗り続ける福田さん。ただ、高みを目指す上でもう1つ大きな壁があると言います。
(福田胡央さん)
「金銭的に難しい面もあるけど、できるだけステップアップしていきたい」
福田さんによりますと、新車のマシン1台が約100万円。さらに、燃料代やメンテナンス、遠征費などで年間約100万円の費用がかかります。
福田さんは、中古のマシンを使い車中泊で遠征するなど工夫を重ねて挑戦を続けています。
そのサポートをしてくれている両親への恩返し。そして同じように難病を抱える人たちの「希望」になるために。福田さんは、F1レーサーになる夢を追い続けます。
(福田胡央さん)
「世界的な選手になって、こんな病気を持っててもここまで来れるよと伝えられる選手になりたい」