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「103万円の壁」どうなる? 全国知事から懸念“補填はマスト”分離案も

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 本格的にスタートした「103万円の壁」を巡る議論の第2ラウンド。引き上げはいつ、どうやって決まるのか。政治部記者が解説します。

■「103万円の壁」どうなる? 分離案も

 政府が年収103万円の壁を引き上げることを盛り込んだ新たな経済対策を閣議決定したことを受け、全国の都道府県の知事が懸念を示しています。

宮崎県 河野俊嗣知事 「地方財政に甚大な影響が生じる可能性があるということで、丁寧に議論を進めていただきたいと」

山梨県 長崎幸太郎知事 「103万円の壁の減収の補填はマストだと。103万円の壁の撤廃は恒久的措置であるのだとすれば補填もぜひ、恒久的措置でやるべきだと」

 都道府県知事が懸念しているのは税収入が減ること…。非課税枠を今の103万円から国民民主党が求める178万円に引き上げた場合、地方は住民税だけで4兆円税収が減ると見込まれています。

鳥取県 平井伸治知事 「103万円、基礎控除を上げること自体を問題にしているわけではなくて、財源について国がちゃんと考えろと我々は言いたいということです。きょうもズバリ総理に言うべきだと思います。日本の天下国家のことを考え、住民の暮らしを守るために我々は責任を果たしたいんだと」

 全国知事会議が終わった後、各都道府県の知事は総理大臣官邸に移動。石破総理との懇談会が25日午後4時ごろから行われています。

自民党 税制調査会 宮沢会長 「いよいよ今年も税の季節が参りました」

 自民党と公明党は25日、それぞれ税制調査会の会合を開き、まずはそれぞれの党内で議論をスタートさせました。

自民党 税制調査会 宮沢会長 「今年は昨年までと違って、自公で決めたものが成案になるというわけではなくて、同時並行で国民民主党を入れた3党の協議というものも進みますので、それを最終的にどう合体させるかと」

 一方、公明党は…。

公明党 税制調査会 赤羽会長 「税制改正がやっぱり政治家の腕の見せどころだと。血沸き肉躍るような心境かと言うと私自身はそうでもなくて、やや重い感じで受け止めておりますが」

 国民民主党との協議の行方を案じている赤羽税調会長。焦点は非課税枠が今の103万円からいくらまで引き上がるかです。

政治部(与党税調担当) 杉本慎司記者 「国民民主が最低賃金の上昇率をベースに178万円までの引き上げを主張しているのに対し、自民党内では物価の上昇率を基本に引き上げ幅を決めるべきとの見方が多数。ただ、ある与党の税調幹部の1人は国民民主が『178万円までの引き上げ』を譲らない場合はそれをのんだうえで、ある一定の所得を超えた場合に段階的に控除額を引き下げる、いわゆる富裕層に対する所得制限を掛けるのも一案だと話す。地方の税収が減るとの批判が相次いでいることから、国税である所得税の控除を引き上げ、地方税である住民税の控除をそのままにして影響を小さくする『分離案』も浮上している。ただ、どの案も与党内の有力案というほどではなく、あくまで議論開始前のあり得る選択肢で具体的な議論はこれからです」

 住民税だけで4兆円の減収が見込まれる地方に配慮した分離案について、公明党の斉藤代表は…。

公明党 斉藤代表 「地方財政に悪影響が出ない結論にしなくてはいけない」 「(Q.所得税と住民税の分離案は?)一案だと思います。1つのアイデアだと思います」

 分離案では地方の減収を抑えられる一方、減税される額が少なくなります。

 第一生命経済研究所による、178万円に引き上げられた場合の減税額と分離案による減税額の試算です。分離案では年収が低い世帯ほど減税の効果が小さくなるということです。

政治部(与党税調担当) 杉本慎司記者 「今年は税制改正の議論に国民民主党も加わることから協議の難航が予想されますが、例年通り12月中旬の取りまとめを目指しています」

自民党 税制調査会 宮沢会長 「(Q.議論がヤマ場を迎える時期はいつ?)これはやってみなきゃ分からないということですから、これからの話であります」

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