日本銀行は今年最後の金融政策決定会合で利上げの見送りを決めました。理由について植田総裁は、来年の賃上げやアメリカ経済の先行きに対する懸念を挙げました。
日銀 植田和男総裁 「賃金と物価の好循環の強まりを確認するという視点から、今後の賃金動向についてもう少し情報が必要と考えました。米国次期政権の経済政策を巡る不確実性は大きいと考えています。これらを踏まえて、今回の会合では金融市場調節方針の現状維持を決定しました」
日銀は政策金利を0.25%程度とする現状の金融政策の枠組みを維持し、3会合連続で利上げを見送りました。
現状維持に唯一反対した田村審議委員は、物価が上振れするリスクが膨らんでいるとして、0.5%程度まで利上げする議案を提出したものの否決されました。
利上げは来年1月になるとの見方も広がるなか、植田総裁から踏み込んだ発言はありませんでした。
市場では日米の金利差が当面縮小しないとの見方が広がり、円を売ってドルを買う流れが加速しました。
一時、7月下旬以来、約5カ月ぶりの円安水準となる1ドル=157円台を付けています。