名古屋大学大学院の研究グループが日本のプロ野球でのDH(指名打者)制はチームの勝率に大きく影響しないとする研究結果を発表しました。
DHはピッチャーの代わりに打席に立ち、守備に就かないバッティング専門の選手で、日本プロ野球のパ・リーグやMLB、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)などの国際大会などで採用されています。
2027年のシーズンからはセ・リーグでも導入が予定されているなか、DH制の導入に対してはチームの構造や強さに影響するという見方が根強くあります。
名古屋大学大学院の清水詩乃さんと鈴木泰博准教授はパ・リーグの2014年から2023年の10年間で、試合に出場したすべての選手がチームの勝利にどれだけ貢献したかを分析しました。
その結果、DH制がチームの勝率に与える影響は、いずれのシーズンにおいてもプラスマイナス1%以内に収まったということです。
この分析には選手の打撃・守備・走塁における貢献度を評価した指標「WAR」が使用されています。
従来の研究ではDHの選手の守備の貢献度をゼロにしていましたが、今回は各チームで野手の最低値を当てはめています。
さらに、レギュラーが出場した場合と控えが出場した場合の差を加えて補正するなど、DHについてより丁寧に評価したということです。
パ・リーグのチームを応援していたことが研究のきっかけとなった清水さんは「試合観戦だけではなく、データから見る野球の面白さも伝わったらいいなと思う。2027年から導入されるセ・リーグでも今回の枠組みで調べることができたら」と話しました。
研究をサポートした鈴木准教授は「このような研究も踏まえて、戦術などにさらに広がりが生まれたらと思う。一方で、プロ野球のような選手層の厚い場合とアマチュアではDH制でも異なる部分がある」と指摘しています。
高校野球においても3月に開幕する選抜高校野球大会からDH制が新たに導入されます。