倉敷市真備町では、文化施設も壊滅的な被害を受けました。真備図書館では蔵書12万7千冊が全滅。大雨から3週間が経ちましたが、館内にはいまでも土砂や泥水がたまっていて、必死の復旧作業が進められています。
真備町図書館は2000年7月に開館。楕円形のゆるかなカーブを描く屋根が印象的な建物です。
(記者) 「床にはこのように本がたくさん散乱した状態になっていて、手がつけられないような状態になっています」
浸水前に館内にあった本は約12万7千冊。貸出中だった1万冊も大半が被災し、回収できない見込みです。
(真備図書館/藤井広美 館長) 「100%全滅です。大丈夫なものはないです。悔しいとか悲しいとかっていう気持ちよりも、信じられないという気持ちです」
水を含んだ本はとても重く、手作業で片付けるのは大変な時間がかかります。 岡山県や倉敷市の職員が連日復旧作業にあたっていますが、館内の暑さと湿気で熱中症になる恐れがあるため、作業は朝7時から10時までの約3時間に制限しています。
図書館の壁を見ると浸水の跡が残っていました。その高さは1階の屋根近くにまで迫り、浸水の規模の大きさを知ることができます。
図書館の奥にある事務室や休憩室に入ると、泥とカビの混じったにおいが鼻をつきます。
(記者) 「ある一室をみると壁一面に黒カビが生えている状況です。別の部屋に移動すると、天井が落ちていたり、まだ土砂が残ったままになっていたりします。現在も天井が落ちてきたりするので危険な状況だということです」
(真備図書館/藤井広美 館長) 「(Q.復旧のめどは)全然経ってないですね。かびも生えているから早く消毒できたらいいし、棚も落ちているので修復が大変だと思うんですけど」
被災する前は毎日400人近くが図書館を利用していて、夏休みになるとさらに来館者が増えるはずでした。 館内の状況を見る限りは復旧まで相当の時間がかかりそうですが、館長の藤井さんは再開に向けて気合い十分です。
(真備図書館/藤井広美 館長) 「(Q.復旧への気持ちは)もうね、ぜひ復旧したいと思います。いっしょにがんばりましょう。みなさんもがんばってください。わたしたちもがんばります。また図書館に本を借りに来てください」