防災の話題をお伝えする「こつこつ防災」です。
今回は、7月以降、中国・四国地方で体に感じる地震が相次いでいることについて専門家に聞きました。
中国・四国地方では7月、徳島県の北部や南部、伊予灘や広島県などを震源とする地震が立て続けに起こっています。香川大学地域強靭化研究センター長の金田義行特任教授は、これらの地震が巨大地震につながる可能性は低いとしています。
(香川大学 地域強靭化研究センター長/金田義行 特任教授)
「日本列島全体がある意味で地震発生帯ですから、地震のマグニチュードを考えますと4からせいぜい5弱なんですね。そういうマグニチュードの地震であれば、ある意味、通常の地震活動の範囲だと思って構わないと思います」
30年以内に70パーセントから80パーセントの確率で起きるとされている南海トラフ地震は、フィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界面で発生します。四国はこの境界面の上に位置します。
一方、ここ最近起きている中国・四国地方を震源とする地震は境界面より深いところか浅いところで起きているため、南海トラフ地震との関連はないと考えられています。しかし、金田特任教授は「油断はできない」と警鐘を鳴らします。
それは、もともとフィリピン海プレートとユーラシアプレートとの境では、予兆となる地震が起きづらいという特徴があるためです。
(香川大学 地域強靭化研究センター長/金田義行 特任教授)
「しっかりくっついてるので、ビシビシと小さな壊れ方をしないでずっとエネルギーをため込んでるので、普段あまり有感地震がないんですね。だからといって安心ではなく、エネルギーがたまっていると理解していただくのが大事です」
その上で、頻発している地震をきっかけに一人一人の防災意識を高めてほしいと呼び掛けています。
(香川大学 地域強靭化研究センター長/金田義行 特任教授)
「少し揺れたというのはある意味でいいことで、地震に対する備えをしろということのサインと思っていただければいいのかなと思います」
中国地方や四国地方は地震が少ない分、地震への危機感が薄まりやすいと言われていますが、小さな地震をきっかけに備えについて見直してみるといいかもしれません。