岡山県吉備中央町の浄水場から、有害性が指摘されている有機フッ素化合物が検出された問題です。町が発生源の特定に向け、可能性が高いとされる場所のボーリング調査を始めました。
(記者リポート)
「約半年前大量にあったフレコンバッグはすべて撤去されています。きょうボーリング調査が始まります」
ボーリング調査が始まったのは、吉備中央町の河平ダムの上流にある資材置き場です。河平ダムは、国の暫定目標値を超える有機フッ素化合物が検出された円城浄水場の水源でした。
この資材置き場では2023年11月、使用済みの活性炭が入った大量のフレコンバッグが見つかり、土や近くの沢から、高濃度の有機フッ素化合物が検出されました。
一連の問題の原因を究明する有識者委員会は、2023年12月、この場所が発生源となった可能性が高いと指摘し、ボーリング調査が必要だとしていました。
調査は町が行うもので、資材置き場と、その約60m上流の計2カ所が対象です。
町によりますと、土壌や地下水に有機フッ素化合物がどの程度含まれているか確認するということです。調査の結果が出るのは7月中旬ごろの見込みです。
(吉備中央町 住民課/宮田慎治 課長)
「この調査結果をもとに、今後原因究明に努めて住民の安心につなげていきたいと思っております」
事業費は約800万円の見込みです。
山本雅則町長は3月の定例議会で、原因者が特定されれば損害賠償を求める考えを示しています。
一方、この問題に関連して別の有識者委員会が2024年3月、「町の対応が不適切だった」とする答申書を提出していて、町に「計画的な体制の強化」を求めています。
町は、新年度から水道課の職員を1人増やしました。また、今後、職員の研修を行うとしています。