岡山県真庭市の自然を満喫できるスポットを紹介します。
大自然はまさに巨大な図鑑! 子どもたちの好奇心を育み、発見する力を伸ばすのに最適です。
真庭市の北東、標高約1000mの津黒高原にある「津黒いきものふれあいの里」。ここでは自然観察専門員の雪江祥貴さんが自然や生き物を観察するポイントを教えてくれます。
(津黒いきものふれあいの里/雪江祥貴さん)
「地域の自然のこととかは私に聞いてもらったら。お答えできる範囲でですけど。自然をのんびり楽しめる場所なんで、いろんな人に来てもらったらいいなと思います」
ネイチャーセンター「ささゆり館」では岡山県北部の動植物を紹介しています。
体の側面の黄色いラインが目をひくコガタノゲンゴロウなど数種類の水生昆虫がいます。
餌をあげると……必死にしがみつく姿は愛嬌たっぷり! ゲンゴロウの仲間は後ろ足をボートのオールのように使い上手に泳ぎます。
他にも、周辺地域で見られる淡水魚や両生類などを生態とあわせて学べます。
次は野外へ! 「ふれあいの里」の自然公園は広さ16haあります。
記者「あれ、コオイムシじゃないですか?」
雪江さん「本当ですね。卵を背負ってますね」
オオコオイムシのオスは、卵を背負って奮闘する熱心なイクメンぶり!
記者「一生懸命な感じが」
雪江さん「重くないのかな?」
記者「子どもたちはこういうのを見たら喜ぶ?」
雪江さん「背中に卵を背負っているというのは、なかなかいないですから! よく見るとこういう小さい生き物がいっぱい見られるので、せっかくだからじっくり見てもらったらうれしいなと思います」
歩みを進めると林の様子が変わってきました。アカマツの林です。
(津黒いきものふれあいの里/雪江祥貴さん)
「ここにあります、森のエビフライが。リスが松ぼっくりをかじった痕なんです。エビフライみたいに見えるんで『森のエビフライ』とよく呼んでいます」
実際には森でニホンリスに出会うことは極めてまれですが、食事などの生活の痕跡・フィールドサインから存在を感じることができます。
林を進んでいると夏鳥のサンショウクイの声が聞こえることも。サンショウクイは、ヒリヒリという鳴き声がまるでピリリと辛い山椒を食べたようだとして、その名が付きました。
姿を現した小さな昆虫はオバボタル。実は、このホタルは昼間に活動し、ほとんど光りません。
ホタルは光るものと思いがちですが、岡山県野生生物目録によると県内にはホタル科の昆虫が9種いて、一口にホタルと言っても生態はいろいろです。
さらに歩みを進めると薄暗い林でたたずむ純白の摩訶不思議な植物「ギンリョウソウ」に出会いました。葉緑素を持たないため光合成はせず、必要な養分は土壌の菌類から得ています。
植物なのに光合成をしない! わが道をゆく植物です
爽やかな日と少し汗ばむような日が交互にやってくるこの季節。野山にはこの時期ならではの楽しみが詰まっていました。
(津黒いきものふれあいの里/雪江祥貴さん)
「なかなか外に出る機会が減っていると思うので、こういう所に来て森の中で遊んでもらえたらいいなと思います。(生き物は)実物を見ると本当に動きがおもしろいですからね」
「ふれあいの里」の近くには「津黒高原キャンプ場」もあります。アウトドアが楽しくなる時期、自然を満喫してみるのはいかがでしょうか?