岡山県は、県内3カ所の福祉施設に行政処分を行います。
このうち、瀬戸内市の特別養護老人ホームは職員24人が入所者ら8人に対し3年以上にわたって不適切な身体的拘束を行っていたなどとして新規入所者の受け入れが6カ月間できなくなります。
1月から6カ月間、新規入所者の受け入れができなくなるのは瀬戸内市の特別養護老人ホーム、「長船荘」です。
岡山県によりますと、遅くとも2020年5月~2023年7月までの間に施設の介護職員全体の約8割にあたる24人が60~90代の入所者と利用者の女性合わせて8人に対し、必要な手続きをせずに身体的拘束を繰り返し行っていました。
具体的には、シーツで車いすにくくりつける、手に靴下などを被せておしめを触らせないなどの虐待をしていました。
また、職員の1人は、入所者1人が指を鼻に突っ込んでいる様子をタブレット端末で撮影し他の職員に見せるなどの心理的虐待をしました。
2023年7月、施設の内部調査で発覚し、翌月、施設が瀬戸内市に報告しました。
長船荘は、県の聞き取りに対し「虐待に対する認識が不十分だった」と話しているということです。24人の職員の半数以上はすでに退職しています。
津山市の養護老人ホーム、「ときわ園」は、職員が入所者から預かった金を着服していたとして1月から6カ月間、新規利用者の受け入れができなくなります。
県によりますと、津山市立ときわ園の指定管理者・社会福祉法人「江原恵明会」に勤務していた職員が2018年4月~2024年7月にかけて入所者から預かった金、2100万円以上を着服していました。
この職員は、2024年9月に懲戒解雇されています。
和気町の障害者支援施設、「ぽれぽれ」は、2024年2月~6月にかけて職員3人が利用者2人に身体的虐待をしていたとして、1月から3カ月間、新規利用者の受け入れができなくなります。
職員の1人は懲戒解雇されていて、11月、傷害などの罪で執行猶予付きの有罪判決を受けています。