子どもたちの創造力を育むことなどを目的に毎年行われている「香川の発明くふう展」。2024年は小学4年生の女の子の作品が最優秀賞に輝きました。自宅にお邪魔すると、そこには工夫を凝らした発明品の数々が……。
(城東小学校4年/鶴岡澪さん)
「ここのばねが、重さで下がって、量がこの色のシールで分かるようにしています」
説明してくれたのは、丸亀市の城東小学校4年、鶴岡澪さんです。
鶴岡さんが2024年の夏に作った作品。水筒の中の量が外から見て分かるようになっていて、緑色の時には満タン、赤色は空になったことを示します。
そのメカニズムは……
(城東小学校4年/鶴岡澪さん)
「ばねで、重さで下がるのを利用して作りました。下は動かないように水筒の大きさと同じ大きさにして、上は動くように少し小さめにしました。最初は『はかり』を使って表そうと思ったけど、小さい子には数字とかが分からないと思うから、色で表そうと思いました」
この作品を、香川県の児童・生徒を対象にした発想力などを審査するコンテスト「香川の発明くふう展」に出品したところ、48点の応募の中から見事、最優秀賞にあたる香川県知事賞を受賞しました。
彼女の発明品はこれだけではなく……。
(城東小学校4年/鶴岡澪さん)
「これは朝、服が決まらない時に回して、出てきたものを着るというものです」
2年生の時の作品。持ち手を回し、正面で止まった服を選ぶという仕組みです。
(城東小学校4年/鶴岡澪さん)
「(Q.コロコロという音は何?)これは、最初回すと同じ服ばかり出ていたから中にビー玉を入れました。重さで違う服も出るようになりました」
この他にも、料理をするときにやけどしないようにするために装着するフライパン用のシリコン製のカバーや、ランドセルに取り付けることで荷物が楽に持てるようになるベルトなど、自分が困った経験から発明した作品がいっぱいです。
(城東小学校4年/鶴岡澪さん)
「ちょっとした気づきで発明に生かせることもあるので、そういうことを発明に生かしたらいいなと思っています」
実は鶴岡さんの中学1年生の姉、凜さんもものづくりが得意。ペットボトルのラベルを簡単にはがせる道具を作りました。
(姉・鶴岡凜さん[中1])
「カッターの刃が入っていて、それでラベルが切れます。(Q.どうしてこれを作ろうと思った?)お父さんがペットボトルをためて捨ててくれないから」
2人がものづくりに励むようになったのは3年前、三豊市の少年少女発明クラブに所属したことがきっかけでした。
ものづくりやプログラミングなどを学べるこのクラブには、現在100人のほどの子どもたちが所属しています。
(城東小学校4年/鶴岡澪さん)
「工作とかができたりして、いろんなものを作れたりするところが楽しいです」
この日はクリスマスが近いということで、サンタやツリーが動くオブジェ作りに取り組みました。
クラブでは香川高専詫間キャンパスの学生らがボランティアスタッフをしていて、子どもたちをフォローしています。
鶴岡さんが作った水筒の作品について聞いてみると……
(香川高専詫間キャンパス3年/川西蒼紫さん)
「日常的に、困っていることを目的でどうするかっていう考えはすごい」
(香川高専詫間キャンパス1年/白石桃子さん)
「自分はこれを作りたいっていうときには実現するのは結構難しいと思うので、すごいと思います。やっぱり子どもの創造力は計り知れないなと思いますね」
さまざまな問題を解決するため、身近な道具を使って発明し続ける鶴岡さん。今後作りたいものは……?
(城東小学校4年/鶴岡澪さん)
「家族が困っていることを見つけた時に、それを作りたいなと思います」
発明の道は、まだまだ続きます。