高松市でサルの被害が相次いでいます。7月に入って3人が襲われるなど人的な被害も出てきました。なぜサルが人を襲うのか? 今後の注意点などを専門家に聞きました。
(捜索隊)
「おったおった!」
7月25日、高松市庵治町でKSBのカメラの前に姿を現したサル。周辺では7月、相次いで3人がサルに襲われていて、けがをしました。
(撮影した人)
「サルがキバをむいて20m走りました」
(サルに詳しい研究者)
「最初のころよりは人間を恐れなくなっている可能性がある」
(パトカーからの呼び掛け)
「こちらは高松北警察署です。サルの目撃が……」
警察や行政による捕獲作戦が続いていますがまだ捕まっていません。
高松市でサルが頻繁に目撃されるようになったのは2025年4月です。最初は屋島東町でした。高松市に寄せられた屋島での目撃情報は6月27日が最後で、その後は徐々に東に移り、ついに人にも被害が出ます。
7月12日、80代の女性が腕などを噛まれて軽傷。24日、25日にも相次いで女性が襲われました。いずれも軽傷でした。
今回の高松市のサル被害、人間が襲われる前には猫がターゲットになる姿が相次いで目撃されていました。
(撮影した人)
「猫ちゃんが横になって毛づくろい? ノミか何か取ってるんかなと思ってしばらく見とって、猫ちゃん、ほらダラーンとしとるでしょう」
(香川県猟友会/国宗一義さん)
「怖いわな。そのうち人間に来るかもわからんし。大体ああいうのは、イノシシもそうやけど、弱い人間に来るからね」
7月12日、庵治町で女性が襲われた前日にも、すぐ近くで猫が被害にあっていました。
(猫の飼い主)
「子猫を持って山の方行きよった。2匹やられた。背中のもあれ噛んどったやろ。(Q.牙の痕は?)あったあった。最悪。あのサルだけはいかんて。ほんまに。人間をほんま襲う。子どもだったら一発」
また、庵治町では犬と激しく争うような動画も撮影されています。
屋島から庵治で同様の被害が出ていることについて京都大学霊長類研究所の出身で小豆島のサルの群れについても研究している専門家は――。
(福山大学 生物科学科/石塚真太郎 講師)
「猫に執着しているところを鑑みると、同一個体である可能性が高い」
被害が小さな動物から人間に移ったことについては――。
(福山大学 生物科学科/石塚真太郎 講師)
「サルからみて勝てそうか、そうじゃないかを見て攻撃してくるのは事実じゃないか。そういうことが積み重なって、最初のころよりは人間を恐れなくなっている可能性がある」
被害にあったのはすべて女性で、うち2人は80代、90代と高齢です。いずれも一人で外にいるところを襲われました。
(福山大学 生物科学科/石塚真太郎 講師)
「最近よくニュースとかで出ているクマと一緒で、クマも結局、人間とかそういうものを恐れなくなるからゴミ箱を漁りにきたりとか」
対策は――?
(福山大学 生物科学科/石塚真太郎 講師)
「頭上とかちょっと見通しの悪いところとかは距離をとるとか、例えば(子どもの)登下校に付き添うとかそういったことは有効だと思います」