国会では29日、石破総理大臣の所信表明演説が行われます。焦点の「103万円の壁」については引き上げを表明する方針です。
(政治部・佐々木一真記者報告) 「少数与党」として、羅針盤もないままに、厳しい国会運営を迫られる石破総理としては、103万円の壁の引き上げをあえて明言することで、国民民主党との距離を縮めたい狙いです。
所信表明演説は午後、衆参の本会議で行われ、石破総理肝煎り(きもいり)の「防災庁設置」や「自衛官の処遇改善」などが盛り込まれる方向です。
また、来年の春闘でも、大幅な賃上げを実現する意欲を示す考えです。
ただ、演説で、石破総理が最も強調するのは、少数与党として、野党の意見も丁寧に聞きながら幅広い合意形成を図る姿勢です。
総理側近は「石破さんらしさを出すより、まずはやるべきことをやる。そうしないと大変なことになる」と危機感をあらわにします。
政治の意思決定の重心が、「総理官邸」から、野党も含めた「国会」へとシフトする。変化を象徴するような演説となりそうです。